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【監督インタビュー 高橋知子】 #03 「きみは海」と愛

1/27(土)に早稲田大学で上映する映画「きみは海」。監督の高橋知子さんへのインタビューをお届けします。最終回は映画制作編。初監督作品のテーマや、苦労や喜び。そして新しいステップへ。(第1回第2回

「きみは海」で描いたこと

描きたいと思ったのは、恋ではなく、愛。別れてしまっても、愛したことを感謝したり、別れた人の幸せを願う恋愛です。だから、失恋する物語にしたくて、どうやって失恋するかを色々考えていました。そんな時に、お世話になっている美容師さんと何気なく恋愛の話をしている時に、実はレズビアンだとカミングアウトしていただいたんです。高橋さんなら受け入れてくれそうだから、と話してくれたことがものすごく嬉しかった。それがきっかけでレズビアンに興味をもち、たくさん調べて取材もして、「きみは海」のストーリーを決めていきました。

映画監督はビジョンを伝える仕事

映画監督を務めてみて、映画監督という存在は自分の思い、ビジョンを言葉で伝えないといけないものだと心から感じました。私はこういう作品にしたいという思いを伝えて、カメラや音ではこう表現できるよとその道のプロであるスタッフにアイデアを出してもらう、そういう映画作りをしたいんです。どう伝えれば、スタッフの力を引き出せるのかなあとコミュニケーションの仕方をずっと考えていました。映画監督として、ビジョンをもっときちんと伝えることは、私の次の課題だなあと思っています。

「きみは海」を撮影して、これから

「きみは海」を初めて上映したレインボーリール映画祭に、レズビアンをカミングアウトしてくれた美容師さんと女性パートナーが来てくれました。お二人とも、すごく感動したと涙を流してくれて……。ああ、人に感動を与えることができたんだ、と実感できた瞬間でした。とても嬉しかったです。

いま、次の自主制作映画のシナリオを書いているところです。私はやっぱり「愛」を撮りたいと思っています。愛することが幸せ、愛する人が前へ進んでいくことが幸せ。そんな愛です。そして、次の映画でも人に感動を与えたい。「きみは海」はその時もてる力を総て出し切った作品ですが、あれから2年経ちました。成長した姿を皆さんにお見せできるように、これからも頑張ります。

(聞き手・構成:池田千晴、聞き手:鎌田寿美、撮影:島田直樹)

第1回第2回はこちら)

高橋知子
1985年生まれ。大分県出身。早稲田大学政治経済学部、早稲田リンクス、福田耕治ゼミなどに所属。副専攻の映画映像コースで映画を学ぶ。映画宣伝、WEB制作の仕事を経て、2011年からフリーの助監督として多数の作品に参加。成島出監督に師事し、撮影スタッフやシナリオ助手を務める。 2017 年、初監督作品「きみは海」がレインボーリール東京、新人監督映画祭などで上映される。
「きみは海」
安藤快人は、恋愛コンプレックスのある大学生。バイト先のカフェで知り合った高瀬透子と交際するようになり、初めて本物の愛を実感する。しかしある日、快人は透子の様子がおかしいことに気付き、浮気を疑う。深夜にひとり泣いている透子を慰めると、年上の女性—弘華と関係を持っていることを告白される。透子と別れたくない快人は、交際を続けようと、あらゆる努力を始めて……。

早稲田ゼロハチ映画祭にて上映!
2018年1月27日(土) 13:30〜16:30
早稲田大学10号館109教室
どなたでも入場無料でご参加いただけます。
開催案内はこちら


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