「お金に換えられないモノ」の結論の出ない話7
好感取引
手芸作家またはハンドメイド作家と呼ばれる人たちの生業について考えることがあるが、生業としての力の入れ具合にグラデーションを感じている。
ブラディングして精力的にアピールしていく人もいれば、仲間内で楽しむことを中心に活動をしている人たちもいる。この楽しむことを中心にする人たちは、成果物の対価報酬の基準が曖昧な場合が多い。成果を提供する相手によって額面がゼロから∞まで変化が大きい。この判断が作り手の気分次第な場合が少なからずあるのだが、この”気分”がお金に換えられない好意による取引ともいえる。
いつもお世話になっている人にはプレゼントしよう。こんな胸糞悪い奴には札束積まれても売らねえ。そんな極端な話から、材料費だけ貰おうなどの両極の間にも需要と供給の間の好意のやり取りの間で金額が決まることもある。
一見さんお断りの京都の小料理屋さんみたいな、普段は見せない敷居が作り手の中にある。これもまた”知る人ぞ知る”的なお得意様を抱えるブランディングとも言えるのではないだろうか。そう思ったらおかんアートも侮れない。慎重に注目していこう。
※画像出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」 (https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/data/post-100.html)
大正7(1918)年に出版された、山内神斧による世界中の玩具を集めた画集『寿々じゅじゅ』です。タイトルはフランス語で「おもちゃ」を意味するjoujouから付けられました。
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