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【from WARC AGENT】 マーケティングアプリケーションズ 下川さん

この連載では、ハイクラス人材紹介事業を行う「WARC AGENT」メンバーが、過去に転職のご支援をさせていただいた「ベンチャー企業で活躍するコーポレート人材」の方々にインタビューをしています。ベンチャー企業へ転職をした理由や実際に働く上でのやり甲斐など、「ベンチャー企業で働くリアル」に迫っています。今回は、株式会社マーケティングアプリケーションズにてご活躍されている下川さんにお話を伺いました。

■プロフィール
<話し手>
株式会社マーケティングアプリケーションズ 経営本部/経理 下川 美奈
新卒で税理士事務所に入社。税務を中心に監査業務、税務申告に従事。その後事業会社にて経理・新事業の立ち上げ・労務を兼任。2023年2月より株式会社マーケティングアプリケーションズへ経理担当として入社。IT企業で苦手な英語と戦いながら、国際会計基準を勉強し、検定に合格。

<聞き手>
株式会社WARC/WARC AGENT キャリアアドバイザー 外島 綾子
大手生命保険会社で11年勤務したのち、人材紹介業へ転身。2018年に金融専門のエクゼクティブサーチファームにてハイレイヤーの転職支援を行う。想いを持った経営者の支援を行うという志を持ち、2022年にWARCに入社。コーポレート部門を中心にハイクラス人材の転職支援に従事。



自分でも予想外!?経理としての成長を目指していたら、ベンチャー企業にジョインしていた

外島:本日はお時間いただきまして、ありがとうございます!まずは自己紹介をお願いします。

下川さん:下川美奈と申します。キャリアを通して一貫して経理業務に携わっています。専門学校を卒業後、税理士事務所に就職をしました。そこで、法人税、所得税、消費税など、税金関係の相談と申告に加え、月次監査も対応していました。その業務自体は楽しかったのですが、複数の会社をまんべんなく監査するというよりも、1つの会社に入ってその会社のことだけ考えて仕事をする方が自分に合っていると思ったので、事業会社に転職しました。

転職先は工場で、ひとり経理として日常業務に始まり、月次、年次までを全て対応していました。伝票の整理や台帳関係の整備・運用、新規事業における経理体制の構築を担当しました。労務担当が退職したことを契機に、社会保険、給与計算、総務関連、コロナの時期だったのでその対応など、様々な業務を担当しました。

経理以外の業務に触れることで、改めて自身の適性やより向上心を持って取り組めるのは経理だ、という思いが強くなり、経理としてさらに成長できる環境を求めて、2023年2月にマーケティングアプリケーションズに転職しました。

外島:ありがとうございます。キャリアを通して経理に精通されているものの、ベンチャー企業とは縁遠いような印象です。ベンチャーに挑戦してみようと思ったきっかけはなんですか?

下川さん:最初はベンチャー企業に自分が行くとは全く考えてなかったです。今でも少しびっくりしています(笑)ただ、転職活動をしようと思った時に、今までと同じことをやっていたのでは、今までと同じ成長しかできないし、成長したとしても一定のラインで止まってしまうと考えました。

将来的に上場企業の経理として、1つの分野だけでなく、有価証券報告書、IR関係など幅広くやっていきたいという希望があります。ですので、これまでとはまったく違う会社に行って、経験したことのない業務が経験でき、業務改善や税務の知識を活かせる会社、という観点で転職活動をはじめました。

経理としての成長が鈍化してしまう一因に「ルーティン化してしまう」ということがあると感じていたのですが、色々な会社のお話を聞くうちに、会社のカルチャーとしてルーティン化しにくい組織、というのがあるのではないか、と考えるようになりました。

上場を目指すベンチャー企業であれば、モチベーションが高く、良くも悪くもスピード感があり、ルーティンワークになりにくいのでは?と思ったんです。実は他の上場企業の経理で内定も貰っていたので、将来的にやりたいと希望していた業務に携わってみたい、という気持ちも捨てきれず悩みましたが、最終的にベンチャー企業を選択しました。

外島:今でもびっくりされているんですね(笑)経理としての成長機会、キャリアアップを望んでの挑戦とのことでしたが、それが叶えられた転職でしたか?

下川さん:はい、叶えられたと感じています。入社してもうすぐ1年ですが、そこから本当に毎月のように色々なことが変わって、大変な時もありましたが、日々前向きに取り組んでいます。これは滅多にやらないだろうな、という特殊な取引があったり、様々な業務に携わる機会をいただき経験を積ませてもらっています。国際会計基準など、経理を担当していても誰もが携われる訳では無いので、経理の幅を広げるという意味では色々な経験をさせてもらっています。

入社前の不安は杞憂で終わり、ハイブリットワークで風通しが良い会社がここにあった

外島:幅広い経験が積めているとのこと、何よりです。転職を通してご希望を叶えられたわけですが、そのような中でも入社前後のギャップはあったと思います。いかがでしょうか?

下川さん:少し経理から外れますが、これまでの勤務先ではリモートワークやフレックス制度が全くない職場環境でした。現職はリモートもフレックスもある中で、社員同士のコミュニケーションという点では、実はすごく不安でした。ずっと対面で話して、相談したり雑談したりというような経験しかなかったので、これがチャットやオンラインになって、どれだけコミュニケーションが取れるのか想像できませんでした。

転職活動をしていた時に絶対に外せないなと思っていたのが、発言しやすい、風通しの良い環境、ということでした。選考を通してその不安をすべて払拭するのは難しかったのですが、実際に入社してみるとそんな不安はすぐになくなった、というのがギャップですね。

Slackを使ってコミュニケーションを取っているのですが、自分の部署だけでなく違う部署、社内全体にリアルタイムに気軽に会話ができます。仕事に関係ない雑談とかも、会話が難しい時はスタンプをポンと送ればそれだけで十分伝わるので、本当に気兼ねなくコミュニケーションができます。チャットではなく話す方が早いなと思ったら電話もでき、本当にそこに人がいるみたいに喋れます。

100%フルリモートというわけではないので、出社すればそこで話すこともできます。その時に壁を感じることは全くないですし、チャット上でも対面でも、すごく話しやすいなと思いました。

互いの意見を尊重した上でじゃあ今後どうしようかという相談をしたり、同じ目線に立って話ができる環境が整っている会社なので、私が絶対に外せないと思っていた風通しの良い社風という希望は完全にクリアーされました。

外島:ベンチャーを全く考えていなかった下川さんが実はベンチャーにすごくフィットしているというのがおもしろいですね!先程、様々な業務に携わっているとのお話でしたが、メインとしてはどんなことをされているのでしょうか?

下川さん:大きく分けると2つ担当しています。1つは、月次決算を締めて、取締役会やマネージャー以上向けの管理会計の報告資料、社員向けの報告資料を作成することです。月次を締め始めてから全ての報告資料を作るまで半月ほどかかります。

もう1つは、国際会計基準の導入です。来年の4月に本格的に導入することになり、上司がメイン担当、私がサブ担当として導入に向けて動き始めたところです。

国際会計基準に携わるなんて、これまでの私だったら考えられないです。英語もできないし、関わることも無いよなと思っていました。幸い会社の福利厚生の一環で、業務上必要な勉強に対してサポートしてもらえる制度があったので、入社して2ヶ月頃から国際会計基準についての研修や講義などを受け検定にも合格することができました。今は、監査法人とのミーティングにも参加して、上司と一緒に質疑応答を繰り返して論点を整理しているので、その対応がメインになっています。

外島:入社されてからエキサイティングなことはありましたか?

下川さん:新しいことを学びながら実践しながら、必死にやれているのは非常に面白いです。また業務を通して感じているのは、今までと同じ感覚では間違いなく置いていかれるということです。

たとえば、これまでは20日間ほどで月次決算を締め、その後ちょっと資料を作って報告する流れでしたが、今は第5営業日で締め、1週間で資料を作って社内や社外に出します。そして、自分のやっていること、自分の作っている資料がどういう意思決定に作用するかを目に見える形で教えてくれます。

スピード感も違いますし、現場に近い、経営に近いという実感があります。経理をやっていて、自身が作った資料で会社が動く、それがやっぱり面白いです。

ガチガチの「緊張しい」で人前で話すのは大の苦手でも、チームの力になりたい

外島:スピード感や経理としての使命感を肌で感じられるのはベンチャーらしいですね。日々ベンチャー企業の経理として成長を続けている下川さんが考える「良いコーポレートの組織」はどんなものだと思いますか?

下川さん:主体性があり、率先して動ける人が集まっている、というのが良い管理部門だと思っています。ベンチャー企業では、良い意味でも悪い意味でも方針が結構変わるので、自分の持っている知識だけではやはり限界が来ます。

経理の私もそうですが、労務や人事関係、管理系の方々は、急に「これ今度変わるよ」となった時に自分の分野は自分で調べます。指示を待つよりも、自ら動いてくれる人が管理部に集まっているので、変化が多い中でもスムーズに業務が回ると思っています。

当然、相談はお互いにするし助けてもらうし、逆に自分も同じ立場で助けたいって思います。自分1人で完結できることはやりきるし、完結ができなくてもまずは動いてみようという意識の人が集まっているのが、良い組織なんじゃないかと思っています。

そんな組織になっていくために、上司に100%頼りきりにならないようにしたいなって思っています。上司の知識量や考え方は私よりも遥かに上ですが、自分にできることのアンテナは常に張っておき、勉強も継続していきたいです。

実は、自分にできることでチームに貢献したい、ということで、社内勉強会の講師をすることにしました。人前で話すのが大の苦手で、マーケティングアプリケーションズの1次面接でも笑い話にしないとやってられないくらいガチガチに緊張してしまいました。そんな私が、ベンチャーにやってきて、多くの人と関わりながら、自分の強みである税金の知識を使ってインボイス制度が導入されるこのタイミングでお役に立てるのなら、と考えて社内勉強会で講師をやってみることにしました。

完全オンラインでさせてもらった勉強会は、事前に資料作成と喋る練習をしっかりして臨みました。途中、早口になったり噛んだりしましたが、「想像以上に面白かった」という感想を貰えて凄く嬉しかったです。ものすごく苦手なことでも一度やってみると、自分なりのノウハウや分かりやすい説明の仕方、どれくらい緊張するのか(笑)を学べます。

自分にできること、という制限はありますが、できることで貢献していきたい、そういう気持ちは常に持っていたいです。

*編集者注*
勉強会の補足:月に2回、社員や派遣社員を対象に実施。経営本部の方々は、専門知識を持っている方が多く、講師を執行役員の4人で持ち回りしていたが、そこに下川さんが講師として登壇。参加頂いた方から「非常にわかりやすい勉強会で、人前で話すのが苦手な様子など感じさせることのない堂々としたものでした!」「普段なかなか聞けない部分の勉強会は有り難い!」「視野が狭まっていたのでこのセミナーでかなり広く考えることができました!」などの感想をいただき好評だったそうです。

外島:素晴らしいチャレンジですね!人としての在り方が下川さんの成長を支えているんだと感じました。中長期的にご自身のキャリアはどう考えていますか?

下川さん:現状、税理士さんの対応を9割ぐらい任せていただいています。監査法人の対応も1人でできるようになれたらいいなとも思いますし、国際会計基準検定も無事合格したので、2つの会計基準が実務でもマスター出来たら経理職だけでも幅が物凄く広がると思っています。経理職を極めたい、全部やりたいっていうのも将来的な夢ではあるので、引き続きやったことない業務をやりながら、まずは確実にできることを増やしていきたいなと思っています。

外島:経理として更にキャリアアップを目指していかれるのですね!応援しています!これからベンチャーにチャレンジしたい方へ一言お願いします。

下川さん:どうしても管理部門は専門的な知識が必要になります。その中でもベンチャーは、意欲さえあれば自分がやりたいことに挑戦しやすい環境だと思います。経理でこういうことをやりたい、どんなことがあるか分からないけど、とりあえず経理に関することをやってみたいなど、具体的な目標がなくても貪欲に自分でガツガツ挑戦してみたい人には向いていると思います。自分が考える働き方、将来のキャリアを考えて、その性質に合っているなと思ったのであればチャレンジしてみるといいかなと思います。

外島:飽くなき向上心があるからこそ下川さんがベンチャーにフィットしているのだと改めて感じましたし、下川さんのお力を最大限発揮できる職場環境、人間関係があり素敵だなと思いました。最後にこの会社に入社してよかったですか?

下川さん:良かったです!面白いことが毎日起きて、今までの職場では考えられないほど毎日笑っています!

外島:素敵なお話をありがとうございました!さらなるご活躍を祈っております。

*編集部注*
下川さんは人前で話すのが大の苦手ですが、採用の一助になりたいという思いから、今回のインタビューを受けてくださいました。
インタビュー中、下川さんはご自身の評価が経理としてまだまだであるという表現をされていましたが、現状の経理体制の構築に間違いなく貢献いただいた、と経営本部の方からご連絡をいただきました。

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