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"いつでもできる"が「できない」に変わった時に考えること
どうも。藁科侑希(わらしなゆうき)です。
普段は大学教員やスポーツ現場でコーチやトレーナーをしております。
今日が516日目のnote投稿です。
本日はコーチングのお話。
技術をどう身につけるか、その人の技能の変化をどのように捉え・促進させるのか。
こうした指導の際の一助になれば幸いです。
●「なぜ」ではなく『いま何ならできるか』を考える
まずはこちら。
自身の自動化した技能が突然できなくなり、どうやって身体を動かしていたのか、そもそも自分は本当にそれができていたのか、ということを考え出したとしたら。
副題のように、「なぜ」ではなく『いま何ならできるか』を考えることが重要です。
そもそものスポーツにおける技術の段階は、スポーツ運動学的に大きくこの3つに分けられます。
※詳細を知りたい方はぜひ上記の記事をご参照ください
1. 粗協調
2. 精協調
3. 自動化
簡単に言い換えれば、このようになります。
1. たまにできる
2. 意識すればできる
3. 意識しなくてもできる
問題となった、「いつでもできていたこと」つまり3の動きが、突然1あるいはそのもっと前段階に"退行"してしまったケースを考えると。
そもそも意識もしていなかったものができなくなるので、意識的に取り戻そうとしてやってみても、どうしてもうまくいかずに頓挫することが多いんです。
では、何から始めればいいかと言えば。
「無意識でできること」つまり"3.の段階"が動きとしてみられることの境界を見極めること、なんです。
この状況は、自分の中の当たり前や自動化した運動が何かしらの影響で変わってしまったことを表すので。
では、その変化した後でも残っている自動化部分・無意識運動はどこまであるのか、ということを自覚することがスタート地点になりうるんですね。
そのために、そのスポーツのとても基本的なことを確認するようにやってみる、そして段々と自分が獲得してきた高度なスキルにチャレンジしてみる。
すると、自分の中のできる・できないが分化していくんです。
これらが自覚できてから、次のステップに進みます。
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●五感を使って入力することから始める
そして次の段階がこちら。
「できないものはできない」として割り切って。
ではできるようにするにはどうすればいいか、というと。
五感を刺激しながら、練習をすることが求められます。
具体的な例を挙げれば。
足の動きであれば、「指導者に足を誘導してもらって」動かす。
そうすることで、その技能のタイミング・スピード・始点と終点・関節角度などが身体感覚として入力されます。
このような触覚的なアプローチで、動きそれ自体のトレースや感覚の想起を狙うこともあります。
あるいは、ステップワークであれば"手拍子"が挙げられますね。
足を動かすリズムやテンポ、強弱を耳から音として入力する。
その音に合わせるように、自分の技能をチューニングしていくような感覚です。
また、視覚情報で言えばiPadやiPhoneなどの映像機器で自身を撮影し、指導者と一緒にその映像を見ながら視覚的に自分の動きや修正点を洗い出す。
そして、運動する際のチェックポイントを共通言語化していく。
このようなアプローチが考えられます。
どのアプローチがいいのかは選手の好みやこれまでの指導者とのやりとりの積み重ねで大きく影響されるので一概には言えませんが。
いずれかを試しながら、試行錯誤しながら、うまくいくことをとことん突き詰めていくことが大切になりますね。
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●指導者は選手の頭の中に"潜り込む"
こうした選手の試行錯誤に、指導者はどうすればいいのかといえば。
寄り添うことと、"潜り込む"ことが求められるのだと思います。
選手に限らず、自分以外のヒトの頭の中は、いわばブラックボックスなんです。直接は覗けません。
しかし、選手の表情や仕草、動きの端々などにその頭の中の考えや感覚が表出してくることがあります。
それらをどのように捉えるのか、見えるもの・見えないものから、選手の変化や頭の中をいかに予想し、考えられるか。
これらが指導者にとっての命題であり、考え抜く必要がある部分だと思っています。
以前に書いたこの記事の小平選手と結城コーチのように、選手も言葉を持ち、指導者もその言葉と選手の感覚・運動からのフィードバックから、次の一手を一緒に考えられること。
これこそが、選手と指導者の関係性として求められることであり、「できない」を『できる』に押し上げるエッセンスなのだと思っています。
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今日はここまで。516日目おわり。
最後までお読みいただきありがとうございました!
それではまた明日。
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【保有資格】
博士(スポーツ医学 筑波大学)
日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
NSCA認定パーソナルトレーナー
高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
赤十字救急法救急員
【現在の大学担当授業】於:東京経済大学・千葉大学・東洋大学
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●テーピング・マッサージ実習 ●スポーツ医学理論実践
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●健康の科学a ●健康の科学b ●スポーツとの出逢い
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