痛みのあるところ
壮絶な悲しみは
終わりのないメビウスの輪
どれだけ泣こうが
唇を噛み締めようが
底なし沼へと落ちていく
剥がれない何かに引きずり込まれるように
ああ一体私は何を嘆き
悲しんでいたのかさえ
もはや思い出せず
それでいて諦めきれず
身体に痛みを刻み続ける
細胞のひとつひとつに
まるでガラスのカケラを突き刺すかのごとく
痛みだけが私をこの世に繋ぎとめ
どこへも逃げられないようにした
痛みと共に永遠があるようで
感情の全てを押し殺した
人は痛みという快楽の沼に溺れる
悲しさや儚さを
人生の美しさと巧妙にすりかえながら
自分を傷つけながら
喜びや豊かさを受け入れる事はできない
それでも人は痛みつづける
それは見たくない悲しみが
どれだけ絶望に覆われているか
ということなのかもしれない
痛みは優しさであるが
ひとつひとつを手放す度
人は自分を思い出し強くなる
痛みを背負うより
痛みを振りほどいた時に
瞳に移る輝きに
自分が誰であったのかを思い出すだろう
愛と共に