マガジンのカバー画像

小説の一説にありそうな言葉たち

5
趣味で小説を書いているため、特に物語性の高い一説を抜き出して綴っていきます。
運営しているクリエイター

記事一覧

夜と遊ぶ

夜と遊ぶ

髪が濡れたままがいい

   ラジオにイヤホンをさし

       そうして、夜の風を浴びにいこう

告知|コーヒーのおともにどうぞ

告知|コーヒーのおともにどうぞ

「ものがたり珈琲」さんに小説を寄稿しました。

「ものがたり珈琲」とは
小説と珈琲が毎月届く、体験型定期便。
(公式サイトより)

私は11月の小説のひとつを担当しました。
毎月テーマが変わり、11月は「余暇と余白」。

「久しぶりに会う友達と会話を弾ませたい時に」
という題で小説を書かせていただいています。
4000字ほどの短編小説です。

11月の小説と珈琲は以下の通り届くそうです。
単月購入

もっとみる
夜の番地

夜の番地

街並みは昼と夜で違って見える

心地よく酔っていたりすると尚更に

もしかしたら、気のせいではなくて、夜にだけ現れる番地があるのかもしれない

そう思ったら尚更、心地よいのである

不在

不在

あなたが出かけた後 わたしは冷たくなる

音もなくなり 静寂に包まれて泣けてくる

でもたまに柔軟剤の匂いに満ち溢れたり

あなたが早く帰ってきてくれる日は本当に嬉しく思える

濃すぎるくらいの料理の匂い 変わったくしゃみ 酔ってよく笑う声

わたしはまた幸せを感じられる

夜中の高速道路の先へ

夜中の高速道路の先へ

初夏の高速道路

夜ノ森つつみ公園へ

___深夜1:46

草原にしばらく佇む。

月光に照らされ、妖しく浮かび上がったアヤメの仄かな青白さ。

それは満点の星空との境界線を曖昧にさせて、

もうぜんぶ

僕も宇宙の一部に溶け込んだみたいだ。