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「これからの時代に求められる資質・能力の育成」とは アクティブな学びを通して

2016年に発刊された本ではあるが、現行の学習指導要領における資質・能力についてどのように書かれているのか知りたくて読んでみた。

この本で言われている次期指導要領の改訂の、その次の次期指導要領の改訂について、すでに話されていることだとは思うけれど、それでもやっぱりじゃあ今回の改訂のような姿を学校教育って目指すことができていたんだろうか、みたいなことはすごく気になる。この本はコロナ以前に出版されたこともあり、そんなことは一切触れられていない。こうやって、コロナ以前の本を読んでみると、当たり前だが全くGIGAスクール構想なども想定されていない話なので、それもそれで面白い。

本書の構成は以下のとおり
はじめに
特別寄稿
1 これからの時代が求める資質・能力とは
2 「チーム」としての組織の在り方とは
3 人材を育成する・人財を開発するマネジメントの在り方とは
4 教育は未来を創る
おわりに

兎にも角にもこの本は、20名を超える執筆者によって書かれている。それぞれがそれぞれの専門分野で語っているので一つ一つの章ごとに納得感をもちながら読むこともできる。一方でやっぱり執筆者が集まれば集まるほど、各論になりがちで、その原稿同士の重なり合いや、論としての一貫性というか総合的な考察みたいなことがしづらいなあとも思う。
もっと自分がそれぞれを総括的に読み解く力があればいいのかもしれないけれど、なかなか難しいところもある。

そんな中でも読みながら考えたことは、学校現場で自分たちが子どもたちに育んでいきたい資質・能力ってどの程度検討されてきたのだろうかというところだ。
学校教育目標やグランドデザインを土台としながら、校内研究や特別活動などにおいて、目指す児童像を立てて、資質・能力を意図的計画的に育んでいく部分が必要であるように思う。
ただ学校はどこか、研究部は研究部の仕事、特活部は特活部の領分になっていて、お互いに口を出すことがなかなかできなかったりする。これは教務と生活指導なんかにおいても似たような構造はある。

校長のリーダーシップの下、本来はそうしたことを丁寧に議論する場が持たれなければいけないと思うが「現場にそんな時間はない」「働き方改革が優先だ」みたいなことになっていっている気もする。

せめて一人一人の担任がどのような想いや願いをもって子どもたちと向き合っているか、隣にいる先生が大切にしたいことってどんなことなのか。
そうしたちょっとした学校に関する話をお互いにしていきたいし、もっと言えばそうした話をする前段階として、あなたってどんなことが好きなんですかとか、高校野球見てますか、みたいな話から関係性構築を進めていきたいな。


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