J.ロックランに学ぶ教師教育とセルフスタディ
知り合いの方がセルフスタディの本の話をされていて、そういえばこの本が読み途中になって置かれていたことを思い出して、再び開いた。
どこまで読んだかもすっかり忘れていたので、最初から通してじっくり読み直すことにした。教師教育の本ではあるものの、自分自身が将来、大学の教員になって教師教育を積極的に推し進めていこうという気持ちは、今のところ毛頭ないし、技量も皆無である。そういった側面から教育に携わる方を尊敬するとともに、勘と経験に全振りしている教師教育も方々で耳にするので、その辺りの線引きはものすごく難しいんだろうなと思う。それが悪いというわけでなく、そんなことを学ぶ暇もないくらい現場は今を生きているし、疲弊していると思う。
ただ教師教育の専門家であろうがなかろうが、教員である以上、当たり前に教員として若手と接することは今後も増え続けていくわけで、この本は読んでおいてよかった。
大学院において、理論と実践の往還について口酸っぱく語られている。それはどうしても理論だけ、実践だけになりがちだからではないだろうか。実際に「現場に出たら理論が何の役に立つんだ」なんていう言葉も聞く。
自分自身が双方の良さを生かしながら語れる人でありたいなと思うし、そのための大学院生活だと意識している。
まえがき:専門性開発への参画を求めて i
刊行によせて(ジョン・ロックラン) ii
序:本書を読み始める前に
1章 教えることを教えるとは
2章 教えることを学ぶとは
3章 「教えることを教える」ということを理解する
4章 教師教育者になる
5章 セルフスタディ実践
6章 結ー日本の教師教育者の専門性開発に向けて
である。
教えることを教えるとはどういうことなのか、そのために必要なこととはどんなことなのか。また学生の立場として教えることを学ぶとはどういうことであり、そのために必要なことはどんなことなのかについて学ぶための本だ。
その一章、一節が教師教育に関する研究の論文を土台としながら学術的に述べられている。
とされており、自分が日常的に行っていた教えるという行為の難しさ、また教えることを学ぶことの難しさ、そして何より教えるということを教えるということの難しさについて、いかに自分が今まで感覚的に取り組んでしまっていたのか身につまされる。
まだまだ学術的な知識も実践力も磨いていかねばならない身であるが、それでもこうして少しずつ積み上げることは大事にしたい。