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26.ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便を取り入れてみてはどうですか?〜不便益という発想
ほぼ日手帳の左下には、「今日の日々の言葉」として、ほんの数行の名言集みたいなものが載せられている。毎日、ふとしたタイミングで「今日の日々の言葉」を眺めてみると、自分の状況と当てはまって感動することもあれば、全く考えもしていなかったことを考えるきっかけになるものもある。
偶然先日のページに、この本の著者である川上浩司さんの言葉が載せられていて、「ああ、面白い発想だな。自分も共感していることがあるな」と感じたので検索をかけてみると、この本がヒットしたので手に取って読んでみた。見聞きした言葉をそのままにしないで、少し検索をかけてみるだけで、その周りの状況が広がっていくのは、本当今の時代の便利なところだなと思う。この検索するという一手間を惜しまないかどうかって大切にしていきたいな。
それから読み始める前に、いつもこのnoteとはまた別に記録を取っているのだけれど、その記録からわかったのが、川上さんは為末さんとの本でもお話をされていたこと。ああ、このときは川上さんにそこまで注目しなかったのだろうけれど、今の自分は気づくという変化があったんだなとか、こうして過去に読んだものと今が偶然繋がっていくというのは面白いなと思えた。
本のタイトルにもある「不便益」とは、そもそも何かというと
現代社会のものさしからは「不便」と思われがちなことに、「益」を見出すのが、不便益という発想です。
と、とてもそのまま受け止められるように説明されている。
ここだけ読むと、結局なんのことだろうと思ってしまうのかもしれないが、読んでみるとその具体と構造に納得させられる。あまり紹介せずに、読んだ人が受け取ればいいと思う。ここであまりに本の内容を詳細に紹介しすぎて、不便益を手軽に学べるということも避けたい気持ちもある笑
不便益を創り出していくためには、どうしていったらよいのかということについて書かれている部分もとても参考になった。
不便益であるためには、少なくとも以下の二つの問いに答える必要があります
・益も不便も、あなたのものですか?
・益は、不便だからこそですか?
「不便ならでは」というのが不便益システムの条件です。「不便だけど妥協して」は、望まれません。また、不便だと感じるのは人の判断です。益と思うかどうかもそ。つまりどちらも主観です。
学校教育にわざわざ不便を持ち込む必要は、ないようにも思う。それは子どもたちにとって便利であろうことを、わざわざ止めてまでやるものでもないと感じるからだ。それは、不便が「わたしのもの」になっていない。
そうは言っても教室の中で、なんでもかんでも便利一択で進んでいくのではなくて、上の問いに答えるような選択肢も用意しておくことで、子どもたちに対して働きかけられるものもあるように感じる。自分の教室や授業を振り返るときに、あまりにコスパやらタイパやらに取り巻かれていないかな、という視点からも考えてみたい。