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ブラック校則が生まれた背景を読み取ろうとしない風潮 現場を知らない人の声
私が勤める市でも、学校の校則やジェンダーに関わる制服の見直しが一気に加速しました。
来年度から一斉に新しくスタートします。
私自身は、ブラック校則であろうが、なんであろうが、校則が変わることに対してもそんなに執着しません。
ただ、組織人として、決められたルールや校則はしっかり教師がみんな同じ方向で徹底するべきだと思うだけであり、
校則が変わったとしても、その変更になった校則を、「みんなでしっかり徹底していこうね」という思いだけです。
(教員でも平気で自分だけいい顔する、大人としてどうなんだこの人、みたいな人はいますからね。)
子供たちの一部には、
集団の中で見た目を派手にすることで自己存在をアピールしたい子がいる
のは事実です。
また、思春期特有で、
集団の中で性的なことをほのめかすことで、同じように自己存在をアピールしたい子がいる
のも事実です。
女子生徒であれば、下着の色や形を派手なものにし、それをわざわざ集団の中で公表する。
きっと、公表することで、ワタシはこんなこともしているんだよ、大人でしょ?というようなアピールもあるのかもしれません。
まぁ思春期の子供ですから、まだまだ未熟で当たり前ですから。
私が中学生、高校生のときも、
教員になってからもそういった子供たちには出会っています。
多様化した衣類(下着、靴下、シューズ)、髪型などが生徒の服装をどんどん派手にさせ、
不思議なもので、身だしなみが派手になると、行動も派手になり、
授業や学校生活での落ち着きもなくなってくるというロジックはあながち間違っていないと、
これまでの経験からは理解できます。
そして、長年勤務してきた中で、
それらの身だしなみが派手になっていくのにあわせて、校則が増えていったのを記憶しています。
最近は若手の先生が多いので、
これらの校則の理由が生まれた説明ができない先生は非常に多いのかと思います。
同時に、子供たち自体は、比較的大人しい子供たちがどの学校に多く、この校則の大幅な変更は、ある意味自然な流れだとも思います。
子供たちは、わからなくて当然です。
でも、大人はなぜそれが存在しているのか、教員も、保護者も、マスコミも議論してほしいと思います。
一方的に批判するのではなくて、
なぜそれらが生まれていったのかをしっかり読み解く議論をしてほしい。
教員の中でも、
ブラック校則を心から信じている先生方もいます。
でもそれは考え方が古いのではなく、
校内暴力や2000年代のいじめや学校の荒れの中で、学校をどうにか落ち着いてみんなが安全安心に暮らすために尽力した先生たちが、生み出した一つの結論でもあったのです。
現場でもいじめはなくなっていません。
集団の中での子供の服装や身だしなみの変化は何らかのサインを送っているとして捉えるのは、教員としての基本です。
だから、身だしなみが派手になったときに、そのサインから「次はこういう展開が起きる」ということは、経験のある教員ほど敏感に感じ取ります。
私は、そういったブラック校則を守ろうとする歳上の先輩教員に対して、何も知らず外から批判の声があったりするとすごく胸が痛くなります。
学校が荒れるというのは、いじめが起きるだけじゃないんです。
授業が成り立たない、イジメが起きる、転校していく子が続出する、先生が何人も病休に入る…
とにかく負の不幸のスパイラル
だったのです。
荒れた学校で、学校を立て直すために尽力してきた先生ほど、ブラック校則にこだわる方が多いのもそのためかもしれません。
まぁそうは言っても、時代の流れ。我々も価値観ややり方を変える段階に入っていますので、議論を踏まえて次の在り方を考えていかなければいけませんんね。