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【読了】死ぬまで生きる日記 土門蘭
人とコミュニケーションを取る中で
自分を言葉で表現することは日常的にありますよね。
「私は〇〇という価値観を大切にしている」など。
ただ、私は昔からそういう時に話しながらも
「なんだか自分じゃない。周りから言われている、貼られた『イメージ』や『言葉』のラベルに覆われている。だから本当の自分はどう表現するのか分からない」という感覚がありました。
結局、しっくりはこないけど
当たり障りのない表現で終わってしまう。
嘘も何もついていないのに、なんだか本当の自分じゃない感覚…それを苦しく感じる時もありました。
でも、結局そこを気にしない方が生きやすいから目を背けていたし、考えても意味がないと思っていました。
『死ぬまで生きる日記』は
土門蘭さんが20年以上抱えている
「死にたい」という感覚をなぜそう思うのか、カウンセラーの力を借りながら深く深く掘り下げていく一連の話が書かれています。
「死」というテーマが最初は強いのかと思っていましたが、むしろ深く深く自分が何であるのか、どんな過去を生きてきて、どんなことに喜びを感じるのか、自分の思考の癖は何か…
など、自分と向き合うことの苦しさや喜びが表れた本だなと思いました。
だから、読みながら
私たち読み手側も
「わかるなあ〜自分もこういう価値観あるなあ」
「自分は違うなあ。それはどうしてなんだろう…」
と一緒に考えることができ、カウンセリングを受けている気持ちになるのです。
自分と向き合うことは決して楽ではなくて
涙が出るくらい感情が揺れ動くくらい
エネルギーがかかることです。
それでもひたすら向き合い続けている姿がとてもかっこよく映りました。
「死にたいと感じてもいいのだと、自分を許してあげてください」
この言葉がカウンセリングの最初の頃に出てくるのですが、「許す」「受け入れる」ことってなんて難しいんだろうかと思います。
だけど、それができると自分を抱きしめてあげることができて、苦しみから解放されたりする。
自分と向き合う中で出てくる言葉や感情って
むしろ本当の姿に近づけば近づくほど
「こんなんでいいのか?」
「こんな醜い姿なのか?」
と思うかもしれません。
それでも、そんな自分と向き合い続ける胆力と
それを受け入れてあげる、抱きしめてあげることが、自分が消化しきれないものを溶かしてあげることに繋がるんだろうなと思いました。
自分は本当は何を大切にしたいのか
まだまだ答えは見つかりませんが
土門蘭さんが苦しみながらも向き合い続けたように
私も自分のことを受け入れながら
少しずつスッと言葉にできるように
時間をかけて育んでいきたいなと思いました。