で、その映像化を観たのさ。配信されている作品はダイジェスト版のようだが、それでも全三幕の内容をおおよそ押さえている。
「RURを映画化した」というよりは
「RURの舞台撮りを映画作品として公開した」という印象。
原作のあらすじをそのままなぞり、台詞は原作から一字一句変えることなく、悲劇的な結末へと向かっていく。
『R.U.R.』が1920年に問いかけた人間と技術、倫理と科学の対立を探求する哲学的なテーマ、人工知能や自律的な機械が社会に与える影響をそのまま伝える、逆に言えば1世紀経った現在ではいささか古典的で陳腐で擦り切れたものになっているメッセージを、ひねりなく、直球で伝えている。
はっきり言ってしまえば、「古臭い」。戯曲が生まれて100年経つのだから、もう少し工夫がほしかったところ。とはいえ、古典「RUR」のあらすじをなぞるだけであれば、観ても損はないだろう。