"I am a Muslim, and a Hindu, and a Christian, and a Jew, and so are all of you."_"Gandhi"(1982)
1982年に公開されたリチャード・アッテンボロー監督の伝記映画「ガンジー」より。この映画は、インドの独立運動指導者であり平和活動家であるマハトマ・ガンディーの生涯を、ベン・キングズリーが演じた。
映画は、ガンディーの人生とその影響力ある運動を、歴史的な出来事・実在の人物とのかかわりを通して詳細に描写する。
具体的には、平和的な抗議活動、そして英国からのインドの独立を求める、文字通り血を流した努力を描写。ガンディーは、塩の行進や糸車運動などを通じて、非暴力的な手段を用いて、インドに大きな変革をもたらしていく。
結果として第二次世界大戦後、英国はインドを立ち去ることとなるが、一つのインドとして独立を目指す民衆の前に、自身の統治政策が生んだ(あるいは、ムガル帝国以前にまで遡る因縁を持つ)置き土産を残していく。宗派、カースト、民族間の対立。具体的にはイスラム教徒とヒンドゥー教徒の骨肉の争い。
加熱する抗争の前に、ジンナー率いるインド・ムスリム連盟と断交すべきと主張する(一部の、過激な)ヒンドゥー教徒。
ガンディーはその人たちの前で、あくまで対話をするべき、と、自分自身をさらけ出して、こう、説く。
「An eye for an eye only ends up making the whole world blind.」と合わせて
「I am a Muslim, and a Hindu, and a Christian, and a Jew, and so are all of you.」という言葉は、マハトマ・ガンディーによって言われた有名なセンテンス。(両者とも劇中で用いられる)
宗教的な多様性と共感を強調し、人々が異なる宗教や信念を持ちながらも、共通の人間性を共有していることを示している。この言葉をガンディーは終生用い、非暴力と平和の哲学を重要視し、異なる宗教や背景の人々が共に調和を築くことの重要性を訴えたのだった。
以上、もうだいぶ浅薄な人の世では忘れ去られてはいるが、幸いにもChatGptが掘り起こしてくれた。
結局、インドとパキスタンの分離独立は史実通り避けられずに終わり、ガンディーは凶弾に倒れる。同時代を生きた日本の筝曲家、宮城道雄が
と伝聞した史実を、ありのまま30万人以上のエキストラを動員して描写しており、圧巻そのもの。
インド国立映画開発公社も製作にかかわった、いわば国策としての映画。その中でパキスタンの描写もバランス感を持って描いたリチャード・アッテンボローの技量は、評価すべきところだろう。
アカデミー賞を多数受賞し、作品賞を含む8つのオスカーを獲得しました。ベン・キングズリーの演技も高く評価され、彼は主演男優賞を受賞しました。
あらためてガンディーの哲学と影響力に思いをはせる上で、いや、
というように、素直に感銘を受け、映画を見た我々自身の生き方を振り返るうえで、またとない教材であるのは、間違いない。
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