チャララーン♪鼻からホタルイカ♪
ぼくの目の前には、本格的なフェイスガードをした大柄な白衣の中年男性がすこしかがんで立っていた。
片手にはペンライト、もう一方にはピンセットを持っていた。
ここは診察室。
言うまでもなく、白衣の中年男性とは耳鼻科医らしかった。
フェイスガード越しの声はややこもっていたけれど、とても聞き覚えがあった。
電動車いすは診察用のイスよりも低くて、先生はぼくの顔に近づくためにさらに身をかがめた。
やや右にかたむけながら上を向くと、リラックスできるポイントがあることをぼくは経験上