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都心のイノベイティブな「共創」空間も、地方「創生」の街おこしも大事だけれど、それ以外の「普通の街」のことを忘れちゃいけないという話

昨日はイタリアの公共団体 Future Food Instituteが、東京建物株式会社、Tokyo Food Instituteと共催した「リジェネレーション」をテーマにしたカンファレンスに登壇してきた。「リジェネレーション」というのは「地球環境や人間社会をより良くしていくという考え方」らしい。僕に与えられたテーマは「文化・習慣の再定義と人々のより良い暮らし」とというちょっと……いや、だいぶ大きなテーマだ。

普通に考えたら、サスティナブルな資本主義のための倫理的な消費とか、グリーン成長と脱成長のどちらを選択すべきかとか、そういった流行りの議論を紹介してお茶を濁すのが「効率的」だったのかもしれないれど、こういう仕事の仕方をして手を抜くのは依頼してくれた人に申し訳ないし、何より僕自身が面白くない。それにこういった「降ってきたテーマ」にしっかり向き合うと、経験上「いいアイデア」が浮かびやすい。

そこで僕が考えたのは、「戦後日本社会のリジェネレーション」だ。いきなり話が小さくなった、と思う人もいるかもしれない。しかし逆だ。僕の考えでは今のこの僕たちが暮らす日本社会の、足元の問題を考え抜くことが結果的に世界規模の大きな問題を考える手がかりになる(こともある)のだ。少なくとも予定調和的な流行りの議論を後追いでまとめるよりは、ユニークな議論になるはずだと考えたのだ。

例によって、結論から先に書いてしまおう。僕がこの日提案した「戦後日本のリジェネレーション」のポイントは大別して3つだ。第1に「勤め人」が多すぎる日本社会の「働き方」を変えていくこと。それも意識を高く持って起業するといった「強い自立」ではなく、副業や小商いを中心とした「弱い自立」で考えること。第2に専業主婦や飲みニケーションといった、戦後的な古い「慣習」を見直して新しい「暮らし」のスタイルにアップデートすること(これについてはコロナ禍のときの「新しい生活様式」が大きな手がかりになる)。

この2つについては、過去の記事で取り上げたので、ぜひそちらも参考にしてほしい。

そして3つ目のポイント。それは「都心」でも「地方」でもない場所に注目することだ。

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僕はもはやFacebookやTwitterは意見を表明する場所としては相応しくないと考えています。日々考えていることを、半分だけ閉じたこうした場所で発信していけたらと思っています。

宇野常寛がこっそりはじめたひとりマガジン。社会時評と文化批評、あと個人的に日々のことを綴ったエッセイを書いていきます。いま書いている本の草…

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