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いま必要なのは「冷笑しない中道」だーー再び2022年参議院選挙から考える

再び参院選から考える

前回の記事が予想以上に大きな反響があり、少し戸惑っている。あの記事はこれからゆっくり考えていきたいことの序章、くらいのつもりだったのだけれど、僕と同じような問題意識を持っている人がちゃんといるのだな、と思えるのは大きく励みになった(ありがとうございます!)。

これを受けて、というか先の参議院選挙を受けて、18日には駒崎弘樹、音喜多駿、たかまつななと僕の4人で『カルトとポピュリズムから民主主義を防衛する』というテーマで話す。

この4人は、思想的にも立場的にもかなり違う(強いて言うなら比較的、僕と駒崎のそれが近いかもしれない)。僕が度々話す「日本維新の会からの出馬を止めたけれど、説得に失敗した友人」というのは音喜多のことで、一緒に説得を試みていたのが駒崎だ。僕ら2人は選挙のたびに維新が勢力を伸ばすのを苦々しく見守り、顔を合わせるたびに10年後くらいに「あのとき音喜多の説得に成功していれば……」と思う日が来るのではないかとあまり笑えない冗談を口にし合う。僕らは音喜多を生き急いで近づいてはいけない勢力に与してしまったと考えているし、逆に音喜多からすれば僕は文化批評の世界に、駒崎は自分の運動に引きこもっているように見えているのだと思う。僕たちは、そんな関係だ。

そして「そんな関係」だからこそ、しっかりと節目では意見を交換して、言うべきことは言い、その上で建設的なアクションに結び付けられたらいいと思っている。道は違ってしまったが、これはこれで緊張感のあるいい関係なのではないかと思っている。

さて、本題だ。今回は前回の議論の延長にこれからのアクションを考えたい。前回僕は、いくつか問題を設定した。詳しいことは記事を読んでほしいが、平成前期の価値観とライフスタイルを守り続ける地方の「ちゃんとした」層から、港区のIT&コンサル業界のエリート層までを貫く、この国の民主主義に対する「ゆるやかなニヒリズム」について分析したのだが、今回は「じゃあ、どうするか」というところを僕なりに考えてみたいと思うのだ。

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