ネットリンチで「安心」するのではなくて、話を聞きに来てください!
音喜多駿がXのアカウントで、僕らPLANETS主催の年末(12.21)のイベントを告知したところ、「このメンツはダメだ」ということで、左派の人たちから引用リツイートで罵詈雑言を浴びせる「祭り」が展開されていることに、知人から指摘されて昨晩気が付いた……。
どうも、左派の人たちが嫌悪する論客が多数参加しているので、「これはけしからん」ということらしいが、中には登壇者の容姿を攻撃するものまであり、まあ、今どきのSNSなんて「こんなもの」なのだろうけど、真面目にコメントすれば悪質なネットリンチだと思う。
というか、これはそもそもの話なのだけれど「みんな」で「敵」に石を投げて、しかも具体的な意見ではなくその人たちの「存在」に石を投げて(イベントは一ヶ月先で、僕たちはまだ何も話していない)、「こいつらは気持ち悪い」といった言葉を共有して気持ちよくなる。自分たちは「まとも」な側だと言い聞かせ合って安心する。これ、さすがに幼稚すぎないだろうか。
一応、まともにアドバイスをすると僕にはこれが「リベラル」を標榜する人のやるべきことのようにはちょっと思えない。なんというか、さすがに落ち着いて考えて欲しい。先の兵庫県知事選挙で立花孝志たちが用いた手法は、こういった人間の集団心理につけ込んだものでもあったことを、この人たちは早くも忘れているように思う。
僕は昨日の記事で、斎藤元彦支持派に自分たちの陣営の「味方」だからといって立花孝志的な手法を認めるべきではない、それは同じ手法で「敵」からやり返されたときに反論できなくなると警告したが、同じ警告を固有名詞を入れ替えて、今日は左派にしたいと思う。これは、この先「SNS以降の政治」をちゃんとやっていくうえで、立場にかかわらず確認しておかないといけないことだ。
しかしまあ、イベントの企画者としては「そんなこと言わないで、話を聞きに来てくださいよ」と、一番言いたい。
これは約束できるけれど、リベラル側のみなさんが心配しているような、アメリカの大統領選や兵庫県の知事選を引き合いに「ほら、リベラルがまた負けた。あいつらは現実をわかっていない。俺たちのほうが正しい」みたいなことをみんなで言って盛り上がるような、SNS言論的な「冷笑しぐさ」は絶対にしない。他の登壇者も、僕がこういう話を嫌いなのは知っているので、もっと具体的に「こうしたらいい」という話をすると思うし、事前にきちんと建設的な「これから」の話をしようと、しっかり打ち合わせしておくし、構成も考えておく。なので、興味がある人は足を運んでみてほしい。
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u-note(宇野常寛の個人的なノートブック)
宇野常寛がこっそりはじめたひとりマガジン。社会時評と文化批評、あと個人的に日々のことを綴ったエッセイを書いていきます。いま書いている本の草…
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