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はじめての決算~独力で申告してみた~

ご無沙汰しております。
おかげさまで弊社合同会社フクノネは10月末に無事1期目を終えました。

今回は、はじめて決算を迎えたという事で「はじめてだから自分でやってみよう」と思い立って独力で決算~税務申告を行ったのでその一連の流れと感想についてお話してみたいと思います。

ステップ1 決算末日処理と決算書作成

まず初めに行うのは、営業活動での会計入力の完了です。つまり、税引前当期純利益までの決算書を作成します。

こまめに会計入力を行っている方はここでの入力はさほど手間ではないかもしれませんが、注意が必要なのは「売上」と「売掛金」や「仕入」と「買掛金」の処理です。

具体的にいうと、現金取引を行っている事業者以外は期末月(当社でいうと10月)に行った仕事の代金の受け取りや支払いが来月(当社でいうと11月)以降になる場合があります。その場合は、決算末日に取引を入力しておく必要があります(この辺りは利用している会計システムの指示に従って行いました)。

他に、減価償却費と償却後の固定資産額が正しく入力されているかは確認してます(固定資産が無くとも、スタートアップ企業であれば創立費を減価償却処理できる)。

注記表や社員(株主)資本等変動計算書の作成もこのタイミングで行いました。注記表等も色々とサンプルがネットに転がってますので、それを自社に合わせる形で参考にさせて頂きました。

ステップ2 e-TaxとeLTAXの申請をする

ステップ1と2は逆でも良いと思いますが、とりあえず私が行った順で記載しておきます。

一応決算期を迎えるとその1ヶ月後くらいに自治体から紙ベースで税務申告に必要な別表一式が届きますが、さすがに電子で行った方が良いと思います。

e-TaxとeLTAXの違いは、国に納めるか地方自治体(自社所在地)に納めるかの違いですが、いわゆる法人税的なものはe-Tax、その地域で業を行う住民税はeLTAXで申請しますので、どちらも必要です

申請には「電子証明書」と言われる、いわゆる本人確認的な作業が求められます。私は自身のマイナンバーカードを使いました(カードリーダが必要なので買ってください)。申請自体はそれぞれのマニュアルを見ればすごく難しい!というわけではないですが、面倒くさいです。ただ、紙で申請する方がもっと大変と思います。

ステップ3 必要な別表を確認・作成する

いよいよここからが本番です。ここが時間も手間もかかるので、ステップ1・2はさっさと終わらせた方が良いと思います。

e-TaxやeLTAXから作成する別表を選択し作成するのですが、この種類が尋常じゃないので「どう考えても必要ないな」というもの以外はそもそも必要かどうか確認しないといけません。

私は以下のサイトを参考に、自社にとって必要な書類を逐一調べながら確認しました(初年度で必要となる可能性がある書類は~みたいに一覧でまとめられてるページもあったのでそれらも参考にしました)。

法人税の別表1とは?から書き方まで国税OBが0から解説! (japanex.jp)

「別表〇 書き方」とひとつずつ調べて作成していきます。別表も作成推奨手順のようなものも上記サイトに記載があったので参考にさせて頂きました。

ステップ4 決算書を確定させる

別表が一通り作成できると、決算書でいう「法人税、住民税及び事業税」が確定します。

つまり「税引後当期純利益」が算出できるため決算書が完成します。決算書が出来たらe-TAXにデータを読み込ませる(手入力もできます)のですが、それと同時に決算の確定を社内決議を取ります。

1人会社でも(形式的すぎて意味あるのかな、というのはさておき)合同会社なら「総社員の同意書」等で決算内容を社内で確定させます(株式会社なら株主総会)。これもネットで調べると沢山出てきます。ネットすごいわ。

なぜこれをするかというと、別表1に「決算確定の日」を入力する欄があるからです。印鑑をおした原本は、紙で保管しています。

ステップ5 e-Tax、eLTAXで申告する

いよいよ、申告する準備が整いました。
e-Tax、eLTAXそれぞれで申請を行います。申請自体はそれぞれのマニュアルを参照すれば難しくはありません。

因みに申告後、申告した内容の修正(法人設立が11月7日なので、住民税は11ヶ月分で良いですよという内容)のお電話を頂きましたが、物凄く物腰柔らかい職員さんでこちらで修正しておきますので再提出は大丈夫です~と仰っており、軽微なミスならそんな感じで済むっぽいです(とはいえ、何度も見直しはしました)。

最後に

全体の感想としては、初年度ではなかったら自力で作成するのは不可能だったかもしれない、という感じです。時間と労力もかかりますし。

銀行で税務申告書の書式自体は見慣れてはいるものの、ネット情報を参考にし続けるのは今後リスクが高そうだなと感じます(事業が続けば続くほど、ネットでの定型パターンに当てはまらないケースも出てくるかなとも思いますし)。

ただ、1回は自分でやる、ということ自体は良かったなと思っています。
恐らく最初から士業の方に頼んでいたら自分で何も理解できなかったと思います。
もしこれをご覧になった方で、1期目の方やこれから起業を考えている方は、はじめての決算だけはご自身で行うことを推奨したいです(これはあくまでも同じ起業した者としての感想ですので、銀行員としてはちゃんとプロに任せて!としか言えません)。

そもそも決算書の読み方が分からない!という方は、今度「決算書の読み方セミナー」を無料で開催するので、足を伸ばして頂ければと思います。
(こっちに関してはプロなのでご安心を)


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