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#23 心の距離間とお金の不安の相関関係

心の距離間とお金の不安の相関関係がある


少なくとも我が家においては。


会を重ねる毎に内容やスケジュールは変動してきたものの基本的に6人で3日間話す聴く動くリズムで合宿してきた。


今回は、2日目、チェックインで数人から一人なりチームの時間を合宿中に取りたいという声があがり、そのようになった。


僕は、しばし瞑想した後、ぼんやりと合流し、カフェに籠もった。


合宿の意義や効果、コミュニティ生成過程における我が家の段階などなどをざっくばらんに語り合うなかで、心の距離間とお金の不安(欠乏感)に相関関係が見られることが発見された。


ぼんやりは、ここ一週間「話せないこと」が積もりに積もって一時はストレスで暮らしからの離脱を考えていたと言う。


話せない/相談できなかったことは、他のメンバーのキッチンやリビングの使い方と買い物や掃除の負担感による分担の必要性の2点だった。


わき道にちょいと反れるが、「話せない」というのは、なかなか不思議な現象である。

身体が正常ならば「かたずけてほしい」という8音を発することは理由もないことだ。

しかし、その8音をどうしてもその人に向かって発することが「できなく」なるのだ。

この経験はほとんど全ての人がしているのではないかと思う。


ぼんやりは、本当に誰にも「話せない」ままモヤモヤを募らせ、ある種の孤独感に閉じこもってしまっていたのだった。


最近の暮らしぶりや思うことをもう少し突っ込んで聴くうちに、別の「話せない」ことが出て来た。


ぼんやり曰く、

「お金が足りないからやりたいことを後回しにして我慢してしまう。」


「もっと稼ぎを増やして欲しいが言えない。」


「言えないから一人でそれをなんとかしようとしてしまい、それに疲れる。」


このあたりまで出てきたところで、ふと、ある思い出がぼくの中に出てきた。


まさに一週間前、僕はぼくで「お金が足りない」ことに強い不満を覚え、温泉に浸かりながら数人の前で愚痴をこぼしていたのだった。


その不足感や欠乏感を今この瞬間も抱き続けているかと言うと、答えはNoだった。


愚痴をこぼした翌日、全然別のことで関係がギクシャクしていた当事者と面と向かって話せる機会があった。

話すと言うか、そいつに対して思っていたことや自分の考えや振る舞いの癖を互いに披露し合った。

それをしたところ、ふつうに話せるように戻った。相手もそんな感じだ。

互いに「言えない」がなくなるとなんとなく安心する。


そう、最近はぼんやりと対照的に安心して暮らしていたことに気がついた。

約2ヶ月もの間、僕らは思うことはいろいろありながらそれを直接伝えてしまうと言い争いのようになってしまい、家の空気が悪くしてしまう予感があり、それよりは言わないほうがいいだろうと「大人の対応」に終始してきた。
一向に仲が深まらないままに、互いの協力が不可欠なことに取り組む困難。結局のところ、言わなくても仲の悪さはビンビンに人に伝わるので、我が家の空気はどんよりしていた。


ぼんやりは、僕と本当に似たようなことをしているようにそのとき見えた。


二人に共通する心理の移ろいと行動を二人で眺めてみる。


暮らす仲間の誰かしらに言えないことが生まれ、心の距離が遠くなると、ストレスが溜まる。


言えないストレスが溜まると、全く別で気になっていたことが過剰に気になり始めたり、発散のためにエネルギーと時間を使ったりすることになる。


ストレスが限界に達すると何もかも嫌になり投げ出したくなってくる。

自分でもどうすることできなくなるが、助けも呼べず、孤独が募る。


孤独が募ると一人でなんでもなんとかしなくてはいけないと考えるようになる。


一人で生きていくことを前提に思考が始まる。


働き方、生き方を見直さなければ生活が成り立たなくなる不安が掻き立てられ、お金(家計/経済)の欠乏と不足を取り除く方法が頭を占めるようになる。


そんな流れが見えてきた。


希薄な人間関係がお金の欠乏感不足感を掻き立てる。

ひとり暮らしが当たり前の世の中で、人がお金を追い求めるのもこの辺に起因しているかもしれない。

もちろんこれは、僕ら二人が陥りやすい傾向なだけに、参考にはなっても一般論とはなり得ないだろうから読者は自分で検証して欲しい。


ただ、誰しもが資本主義経済にどっぷり浸かったところからスタートするので、会社やコミュニティ、団体を作る場合、メンバーの誰かしらに僕らのような症状が現れることがあり、それに悩むことがあるかもしれない。


コミュニティ崩壊の2大原因は財政難と人間関係だと言われているが、人間関係が良好ならば財政難は崩壊の理由にならず、むしろ建て直しに注力されるはずである。


財政が健全な場合ほど、人間関係の質がどうなっているのか見過す危険性があるだろう。


何のためにコミュニティや会社を運営しているかによるけれど、「人」を本当に大事にしようとするならば、関係性のことは一考の余地がある。

お金と人の心の距離間、興味深いところだ。






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