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大好きなお軸

11月。
茶道では窯の位置が変わる時期。
つまり『炉開き』の季節です。

これまでお点前の前にあった窯が
よりお客さま側へ移動します。

寒くなっていく季節にあわせて
お客さまに少しでも暖をお届けしたいという思いです。

この時期に毎年私の先生が出して下さるお軸があります。

それが「無事無事」

実はとっても有名な書道家さんの作品なのです。


今年も一年無事に過ごすことができました。
感謝。

という意味だそうです。

毎日バタバタと気忙しく日々を過ごし
あっ!と気づけばもう年末。

今年も嵐のように時間が過ぎさっていったなぁ。

私ちゃんと毎日頑張れてたかなぁ。

と様々反省しつつ
このお軸を見せていただくと
なにか『あったか~い』気持ちになるのです。

こうしてこのお軸を去年までと同じように眺められる幸せ。

本当に文字通り「無事」で過ごせたんやなぁという安心感。

色々大変なことや嫌なことや悔しいこともあったけど
でも、とにかく「無事」なんだから
こうしていられるんだなぁ、
もうそれだけでいいやん、という感謝の気持ち。

いつしか私はこの「無事無事」のお軸をみることを
心待ちにするようになりました。

そしてその年、目標にしながらも出来なかったことがあっても
いやいや、それでも頑張ってたよって
少しだけ自分をよしよししたくなる、
そんな気持ちにさせてくれるお軸なんです。

それにしても、掛け軸をみて
こんな気持ちになるなんて
二十歳の頃の私には思いも及ばないことでした。
年をとるのも、悪くないのかもしれません。
(でも、新陳代謝と記憶力の低下はどうにかしたい・・・)






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