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【短編】神話SF古事記

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神話と未来が交差する衝撃の物語。太古の神々の時代から未来の宇宙進出まで、壮大なスケールで描かれる日本神話のSF再解釈!量子の海から生まれた神々が宇宙を創造し、イザナギとイザナミが…
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2024年8月の記事一覧

神話SF古事記 結 神武の統一

神話SF古事記 結 神武の統一

惑星規模ネットワークと新世界秩序 ヤマト暦4000年、地球は大きな転換期を迎えていた。人類とAIの共存、サイボーグ技術の発展、宇宙進出の本格化など、かつてない変革の時代。
 しかし同時に、新たな問題も浮上していた。異なる価値観を持つ集団間の対立、惑星資源の枯渇、そして人類の進化の方向性を巡る論争など、地球規模の課題が山積していたのだ。

 この混沌とした時代に現れたのが、神武と呼ばれる人物だった。

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神話SF古事記 9 ヤマトタケルの戦い

神話SF古事記 9 ヤマトタケルの戦い

サイボーグと人工知能の戦争
 ヤマト暦3000年、日本列島は驚異的な技術発展を遂げていた。ナノテクノロジーと人工知能の融合により、人々はサイボーグ化した身体を持ち、脳とコンピューターを直接接続することが一般的となっていた。

 この時代、かつての神器は高度な科学技術として受け継がれていた。草薙剣は分子操作技術へ、八咫鏡は量子コンピューターへ、そして八尺瓊勾玉は遺伝子工学へと進化を遂げていたのだ。

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神話SF古事記 8 海幸彦の宇宙旅行

神話SF古事記 8 海幸彦の宇宙旅行

海幸彦の銀河間ワームホールの発見
 山幸彦が海底都市との交流を深める一方、その兄である海幸彦(ウミサチヒコ)は別の壮大な計画を進めていた。彼は、八咫鏡に蓄積された宇宙に関する膨大なデータを解析し、驚くべき仮説にたどり着いたのだ。

 その仮説とは、地球近傍の宇宙空間に、未知の次元へのゲートウェイが存在するというものだった。海幸彦は、このゲートウェイこそが、かつて高天原と地上世界をつないでいた『天の

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