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招かれざる客(Guess Who's Coming to Dinner)

カナダ生活11年目のWakei です。

今回は「招かれざる客Guess Who's Coming to Dinner)」の備忘録です。

有名な作品なので観てみることにしました。

この映画は、裕福な家庭の若い白人女性ジョーイと結婚歴のある30代の黒人医師ジョンの結婚をめぐる1日の話です。
異人種間の恋愛・結婚から、人種差別意識の本音を観客に問いかけ、解決の本質もさらりと見せた作品。

製作された1967年時は、アメリカの17州で異人種間結婚が禁止されていました。「公民権法(人種差別禁止)」が制定されたわずか3年後の作品です。翌年1968年には公民権運動のリーダーのキング牧師が暗殺されるなど、
人種差別が現実としてまだまだ根強かった時代です。

映画の冒頭部分で、ジョーイとジョンがタクシーの中でキスをするシーンを白人の運転手が苦々しく鏡越しに見るシーンがありますが、このシーンも映画で初めての白人と黒人のキスシーンだったそうです。

さて、この日、二人の結婚の意志をそれぞれの両親に伝えた後、二つの家族、二人の結婚の結末はどうなるんでしょうか?

ちょっと面倒臭いですが、自分だったら、どう思うか、どうするか、を想像しながら、楽しんでみるのがおススメです。

さて、俳優陣ですが、

ジョン役のシドニー・ボアチエ、知的で紳士的で誠実で、体も大きく、強そうだし、かっこいいです。にじみ出るカッコよさは人種に関係ありません。

キャサリーン・ヘップバーンは、気の強そうなところといい、動揺して、口元が震え、目がウルウルするところなど、驚きです。ホンモノ。
彼女の声や話し方は、個人的にはびっくりするほど特徴的です。

父親のマットがリベラルで反差別主義者でありながら、いざ自分の娘がジョンと結婚したいというと戸惑いが隠せず、心の整理がつきません。この時代背景では、娘の将来を案じる親心もあったでしょうね。

現代の差別意識でいうと、こどもがLGBTの人と結婚するつもりだ、と言ってきた感覚でしょうか?

夫役で本物のパートナーでもあるスペンサー・トレイシーとキャサリーン・ヘップバーンの夫婦の息も自然でぴったりでした。

誰かが数時間の舞台劇のような作品、と評していましたが、まさにその通りです。濃い数時間です。

一昔前アメリカで個性豊かな登場人物とじっくりと悩み、楽しめる映画です。おススメ!




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