AIスタートアップのPMMが、HERPに転職して“仕事”の変革に挑戦している話
はじめまして。株式会社HERPでマーケティングをしています、若山です。
HERPに入社して9ヵ月が経ったところですが、書こうと思っていた入社エントリを書けていなかったので、年が越してしまう前に筆を執りました。
SaaSスタートアップでキャリアを形成したい方の参考になれば嬉しいです。
これまでのキャリア
居酒屋バイトを辞めて在学中に個人事業を開始
私のキャリアは、大学在学中に始まります。金沢大学に入学後、充実した大学生活を送るためにはまずはお金を稼がねばと思い、入学直後からアルバイトをはじめました。当時はじめたのは居酒屋チェーンのキッチンのアルバイトです。アルバイトとしてはごく普通の環境ではあったのですが、自分の性格上「型化された作業をミスなく丁寧に繰り返す」ということが非常に苦手で、仕事の覚えも悪く、ミスも連発してしまい、すぐに自分が一般的なアルバイトに向いていないことに気づきました。
それがきっかけで、3ヵ月も経たないうちにアルバイトを辞め、ブログアフィリエイトを始めます。アフィリエイトは、収益が発生し始めるまで時間がかかるので、最初の頃はなかなか辛いのですが、最初の1円が発生してからは毎日数円、数十円でも収益が積み重なっていくのが楽しくて、本気で取り組むことができました。
半年も続けるとアルバイト以上に稼げるようになり、ブログだけでなく、X(当時Twitter)やYouTubeでの発信を始めたり、Webマーケティングを勉強して小規模事業者のWebマーケティング支援をやったりと、活動の幅を広げていきました。
知らない世界を求めて大手通信キャリアに就職
その後、大学卒業まで2年ほど個人事業主としての活動を続けたのですが、「就職したら自分の知らない世界があるのでは」と思い、卒業のタイミングで事業を辞めて就職することにします。
新卒で就職したのは大手通信キャリアです。たまたま見かけた記事で
という言葉が印象に残っており、事業領域が広く、色々経験できそうな会社という観点で決めました。
振り返ると、1社目の会社に就職できたことはとても良い選択だったと思っているのですが、就職当初は正直仕事にやりがいを感じる事ができませんでした。大企業の仕事には、煩雑な事務処理が多く存在します。私は法人営業を担当していたのですが、本質的に営業に避ける時間は5-6割程度であり、それ以外は、営業活動に必要な稟議書作成や請求処理など、仕事のための仕事に時間を費やしていました。
特に印象的だったのは、周りの先輩方を見渡しても仕事を楽しんでいる人がほとんどいなかったことです。個人事業時代の仕事は、刺激的で楽しく、人生を豊かにするものでした。私にとっての仕事の価値観は「人生を豊かにするもの」だったのですが、多くの人にとってそうではないのだということを実感しました。一方で、先進的なテクノロジーに触れたり、社会的にインパクトの大きい案件に携われるという観点で、組織で働くことの魅力も感じていました。ですから、勿体ないなという気持ちがあり、「世の中の仕事をもっと面白くしたい」というざっくりとしたビジョンが芽生えました。
SaaSに魅力を感じ、Sansanに転職
1社目の会社では、上司や周りの先輩方に恵まれて、色々なチャレンジをさせてもらったのですが、自分のビジョンを実現するためには、働き方を変えるプロダクトと顧客と共にプロダクトをアップデートし続ける仕組みが必要であると考え、SaaS企業への転職を考えました。
いくつかのSaaS企業の選考を受ける中で、入社したのがSansanです。
Sansanは、国内のSaaS業界をリードする企業で、今後SaaSを軸にキャリアを形成するにはとても魅力的だと感じたことと、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションは、自分のwillと方向性も一致していると思い、転職を決めました。
Sansanでは、フィールドセールスを1年ほど経験した後、新規プロダクトのプリセールス&マーケティングに従事しました。SaaSのビジネスモデルの基本から、SaaSセールス(SPIN営業)の型、THE MODEL型の組織運営、マルチプロダクト体制における新規プロダクト立ち上げなど、色々なことを学ばせてもらいました。
成長する企業でセールスマーケを広く経験でき、一定成果を出すこともできたのですが、Sansanも私が入社した時点でかなり仕組みができあがっており、事業成長を牽引するような経験は難しかったので、よりアーリーフェーズで自身のビジョンに近い事業領域の企業でチャレンジしたいという思いを持つようになりました。
AIスタートアップで新規プロダクト立ち上げ
そんな中、Wantedly経由でメッセージをいただき、次に入社することになったのがDATAFLUCT(データフラクト)というスタートアップです。当時、DATAFLUCTは「データサイエンス・スタートアップスタジオ」というコンセプトで13本の新規プロダクトを同時立ち上げするという事業運営をしており、その事業領域の一つに「Future of Work事業」というものがありました。この事業のビジョンが、データとAIを軸に未来の働き方を作るというもので、自分のビジョンとぴったり重なっていたので、入社を決めました。
DATAFLUCTでは、リモートワーク下のコミュニケーションを支えるAI SaaSプロダクトの立ち上げをPMMとして携わり、ユーザーインタビューを通したMVP設計やプライシング、リリース戦略策定や初期ユーザー獲得のための営業活動など、本当に何もないところから何でも屋として0→1の経験をさせてもらいました。まさにやりたい事業に理想のタイミングで携われたのですが、順風満帆とはいかず、
売れるかどうかも検証できていないのに、いきなり凝ったLPを作り、時間とお金を無駄にする
初期から潜在層向けのデジマ施策にリソースを割いてしまい、リードは取れるが商談が生まれない
MVP段階で多方面に機能を作り込んでしまい、機能は多いがバグだらけで不安定なプロダクトになってしまう
など、数々の失敗をしました。最終的に、β版プロダクトの初期ユーザー獲得手前まで何とか進めることができたものの、会社として事業領域を集中させる意思決定をすることになり、私が携わっていたFuture of Work事業は撤退する判断となりました。
HERPとの出会い
前職では力不足で事業を成長させることはできなかったのですが、仕事の変革に携わりたいという思いは変わらなかったので、アーリーフェーズのHRTech企業に限定して次のキャリアを考えるようになりました。一方で、前職では当初想定していなかった形で比較的短期での離職となってしまったので、転職に対して慎重な気持ちもあり、いきなり転職ではなく、まずは業務委託(副業)からスタートして、本当にマッチしていそうだったら転職を考えることにしました。その中で出会ったのがHERPです。
HERPに感じた可能性
実は、HERPのことは元々知っていたのですが、当初は「採用管理システム(ATS)の会社」というイメージが強かったので、転職先の候補にはありませんでした。自分のビジョンと一致するかどうかを軸に考えていたので、採用を効率化するシステムを提供しても、世の中の仕事が面白くなることはないと思っていたからです。ですが、エージェントさん経由で業務委託先の候補としてHERPを紹介してもらったことをきっかけに、HERPのビジョンを知り、それまでの印象がガラッと変わりました。
詳しくは代表庄田のインタビュー記事を読んでほしいのですが、簡単にいうと「ATSをタッチポイントに求職者側・企業側双方が持つ様々なニーズをキャッチし、HRTech領域で持続的に新規プロダクトを投入し続けることで、就労に関する新たな価値観を創ること」ということです。ATSという単体の事業には強い魅力を感じなかったものの、手段としてのATSと、既存事業を活かしたプロダクト展開構想は強く魅力に感じ、HERPにとても興味を持ちました。
業務委託期間を通して感じた魅力
事業ビジョンに強い魅力は感じたものの、すぐに転職とは踏み切れなかったため、選考の一貫として、業務委託兼お試し入社(トライアル)という形で、ジョインさせてもらうことになりました。
約2ヵ月間の業務委託期間を、十分にバリューを発揮できそうか、中長期でコミットできそうかを互いに確認する期間とさせてもらったのですが、結論として「めちゃくちゃ良い会社だな。本気でこの会社で働きたいな」という感想を持ちました。
そう感じた理由は大きく2つです。
1.全員が成果に向かって自律していること
「成果に向かって自律している」とは、モチベーションの源泉が、「ユーザー価値を高め、事業成長を最大化させること」に向いており、全員が同じベクトルで、自律的に動いているということです。私自身、転職や副業を通して大企業からスタートアップまで様々な組織と関わってきましたが、どの組織も部分的には自律性が見受けられるものの、本質的に全員が同じベクトルで自律している組織と出会ったことはありませんでした。そういった点で組織として強い一体感とエネルギーを感じ、事業以前に「人」としてのHERPに強い可能性を感じました。
HERPがどのように成果に向かう組織づくりを進めているかについては以下をぜひ読んでください。
2.優れたコミュニケーション文化を有していること
具体的には、オープンでフラットなコミュニケーション文化と強い非同期コミュニケーション文化の二つがあります。前者は、他のメンバーの入社エントリーでも多々言及されていますが、HERPはロールや年齢にかかわらず、オープンでフラットなコミュニケーションを徹底しています。それゆえに、自分の業務領域外のことでも、圧倒的な当事者意識を持って助け合うということが自然に行われています。HERPのバリューとしても、「ATI(圧倒的当事者意識)で動く」というのを掲げており、これが文化として定着しています。
後者に関して、HERPはフルリモート・フルフレックス可の組織のため、人によって働く場所も時間も様々です。(私も福岡からフルリモートで働いています。)そのため、打合せや会議の内容はもちろん、個々が考えていることや感じていることを、言語化してドキュメントに残す文化が根付いています。ドキュメント管理ツールとしては、NotionとScrapboxを活用しているのですが、社内のNotionやScrapboxをみれば、部門やロールを横断して、各メンバーの思考を垣間見ることができます。これにより、不必要に同期的なコミュニケーションを取らなくても障壁なく意思疎通できるので、リモート環境でも生産性高く働くことができますし、新しいメンバーがジョインした際も、スムーズなオンボーディングが実現できます。加えて、私は、何かを思考したり意見を出すときは一人で静かに集中して考えたいと思う内向型タイプなので、私のような人間にとって、非同期コミュニケーション文化が根付いていることは働きやすいと思える大きなポイントでした。
以上のようなことから、事業領域やビジョンに加えて、組織としてのHERPにも強い魅力を感じ、HERPヘの転職を決意しました。
HERPに入ってどう感じているか
現在は、採用管理事業のマーケティングやBizOps領域を主務としつつ、Revenueチームの採用や新規事業のマーケティングにも携わらせてもらっています。
9ヵ月経って感じている事は「HERPのマーケティングはとにかく面白い」ということです。
HERPのマーケティングはなぜ面白いか
HERPのマーケティングが面白いと感じる理由は3つあります。
1.多様なフェーズかつBtoB/BtoC両者のマーケティングを横断的に経験できる
現在HERPでは、採用企業向けの採用管理事業に加え、人材紹介会社向けの求人管理事業、求職者向け新規事業の3つを展開しています。主軸の採用管理事業は、市場としては一定成熟しており、マーケティングとしても10→100のフェーズといえます。一方で、求人管理事業や求職者向け事業はこれから市場を作っていくフェーズであり、プロダクトとしても0→1、1→10の世界です。マーケターがよりアーリーフェーズな事業を求めて転職するケースはよくありますが、HERPでは、多様なフェーズのマーケティングを横断的に経験することができます。さらに、採用管理事業や求人管理事業はBtoB事業ですが、求職者向け事業はBtoCの事業であるため、会社としては、BtoBマーケとBtoCマーケを両軸で行う必要があります。これらの事業は密接に連携しており、求職者向け事業の成長が採用管理事業や求人管理事業の成長に直結する構造になっているため、必然的にBtoBとBtoC両者の視点が求められます。同じマーケティングといえど、BtoBとBtoCでは求められるスキル・思考が大きく異なってくるので、これらを両者経験できる環境というのはとてもチャレンジングな環境ではないでしょうか。
2.マーケティングが事業成長に与えるインパクトが大きい
HERPは、デジタル人材採用の変革を軸に、スタートアップ企業を主要な顧客層としています。スタートアップは、市場環境の変化も激しく、企業の成長フェーズによって組織体制も抱えている課題も大きく異なるため、企業の成長フェーズに合わせたコミュニケーション設計が必要になります。これには確立された手法もなく、高い解像度で顧客を理解し、多数の変数を考慮しての戦略検討が必要になるため、非常に難しいチャレンジといえます。同時に、仕組み化することで事業成長に与えるインパクトはとても大きいです。マーケティングの面白さは、取り扱える変数の多さと仕組み化によって生み出せる成果の大きさで決まると思っているのですが、HERPのマーケティングはどちらも振り切っているので、圧倒的に面白いのです。
3.世の中の“仕事”に関する新たな価値観を創造できる
最後は、事業成長が世の中に与えるインパクトの大きさです。前述の通り、HERPが目指すのは、採用業務の改善ではなく「就労に関する新たな価値観を創ること」です。「採用を変え、日本を強く」というミッションのもと、採用に関わる方だけでなく、世の中のあらゆるビジネスパーソンの“仕事”の体験を変革し、日本から世界に誇れる企業を多く生み出します。これには時間が必要ですが、10年後や20年後に自分の子どもたちが就職する時、誰もが仕事に熱中できる世界があったらどうでしょうか。私自身も0歳児の父なので、子どもたちが働く未来をより良い世界にしたいという思いがあります。同じような思いを持っているパパやママも多いと思います。HERPはそういった新しい未来を作れる強い可能性を秘めていると思っています。
さいごに
HERPでは、ミッション実現に向けて事業成長を牽引いただけるマーケターを積極募集しています。
直近は、人材紹介企業向けプロダクトの「ジョブミル」や求職者向けプロダクトの「HERP Careers」もβ版をリリースし、本格的にマルチプロダクト体制におけるマーケティング施策を展開していく準備が整いましたが、マーケターが全く足りていません。
記事を読んで少しでも興味をもっていただけたら、ぜひカジュアルにお話できたら嬉しいです。
DMなどお気軽にご連絡ください:https://twitter.com/naoki_wakayama_
最後まで読んでいただきありがとうございました。