リズムで音楽を聴く
「リズムから考えるJ-POP史」という本を読みました。
タイトル通り、約30年のJ-POP史を「リズム」という観点から考察する本です。(友人から誕生日プレゼントで贈ってもらいました、ありがとう)
僕は「音楽はビートで聴く」のを好んでいたこともあって、以前から興味津々だった本。章のタイトルだけでも前のめりになってしまう。
小室哲哉がリスナーに施した、BPM感覚と16ビートの"教育"
90年代末の"ディーヴァー"ブームと和製R&Bの挑戦
中田ヤスタカによる、"生活"に寄り添う現代版「家具の音楽」
Base Ball Bearから検証する、ロックにおける4つ打ちの原点
KOHHが雛形を生み出した、"トラップ以降"の譜割り
動画の時代に音楽と"ミーム"をつなぐダンス
ね?
読んだ感想としては、「音楽はビートで聴く」という僕のある意味抽象的な感覚を、見事に言葉で説明してくれていたような本でした。
あまり音楽の専門知識を持ち合わせていないのでわからない部分も多かったんですが、それでも腑に落ちる内容が多く、心のなかで拍手👏でした。
歌詞で聴かせる歌謡曲の時代から、歌唱法とメロディとリズムで聴かせるJ-POP時代への変化変遷はわかりやすく、まさにきっかけの一つが小室哲哉プロデュースのユーロビートを中心としたダンスミュージックの啓蒙。
CDが普及して音楽流通が広がる社会背景も後押しして、「よくわからないけど身体で乗れる音楽」の流れができていった話は実に興味深い。
歌詞を聴かせるだけでなく、歌い方とリズムで人を乗せる音楽です。
個人的には特にここ10-15年は「歌詞の力」がさらに弱まっているなぁとも感じています。
恋愛禁止の10代グループアイドルによる恋愛ソングの大ヒットなんかはわかりやすいですよね。当事者意識ない人の歌詞には本来共感しにくいはずなのに、わかりやすい高速4つ打ちのダンスミュージックで可憐なアイドル達が歌って踊ることで人に届く。(単に売り方の上手さもあるけど)
ちなみに僕は、音楽の歌詞をほとんど聴きません。
ビートの気持ちよさと言葉の置き方、メロディで選びます。ざっくりいうと「聴いていて気持ち良い音楽」を聴きます。この本を読んだあとは、リズムで聴いていたんだなぁと納得。言葉の置き方=歌い方もリズムのひとつだよなと。
だから同じ曲をエンドレスリピートできるし、たくさん聴いているはずなのにまったく歌詞を覚えられません。こないだはKing Gnuの「白日」を5日間で100回くらいリピートして聴いていましたが、未だに歌詞がまったくわかりません。
リズムが心地よい曲って、ようするに「タイミングの妙」なんじゃないかなと思います。ビートのタイミング、歌詞のタイミング、メロディ(音符)のタイミングetc...
王道もあれば邪道もあり、ミックスされたまったく新しいそれもある。王道にそって曲を作れば売れるし、邪道でつくるなら啓蒙の期間が必要。楽曲構成の中でもタイミングの妙がありますが、楽曲を世に出すタイミングにもまた妙がある。
もっと抽象化すると、仕事でも何事にもタイミングの妙、リズムがある。
サイバーの藤田さんも"「自分のタイミングで勝負せず、“そのとき”を見極め、運に合わせている」といったほうがしっくりくるのです。"と言っているし。https://r25.jp/article/789816611019196491
ちょっと何いっているかわからなくなってきたので、今日は終わります。
タイミング〜〜〜
※この記事は、Wasei Salon内で書いているブログを一部編集し、時差式に掲載しています
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