✈︎ 令和五年 自選二十五句
この一年に詠んだ350ほどの句から、25句を自選してみました。
自分の句を冷静に見ることの難しさを感じます。
枇杷咲くや石段古き市営墓地
ポッキーを分け合ふベンチ日脚伸ぶ
寒梅や手相見の手のやはらかき
転勤の辞令一枚冬銀河
蝋梅や書店の奥のガラス展
ゆくりなく出づる栞や菜の花忌
異土に知る同郷のひと春北斗
御念珠のラピスラズリへ落花かな
婚約の調ひにけり桜餅
見習ひの子の生真面目や花蘇芳
花は葉にふたりの部屋を引き払ひ
舶来の青き小鉢ぞ冷奴
裸子の腹のまろらか水光る
一心にクレーン伸ぶる夏野かな
逢はせたき人のゐるらしはたた神
文に父生きてゐるなり蕎麦の花
磨きたる南の窓や小鳥来る*
待宵の真ん中つこの弱音かな
一点の足らぬ答案秋の蜂*
ことごとく善意もつれて月の雨*
剥き出しの再開発を秋夕焼
恋敵の手土産芋の煮ころがし
許さうと思ふ石庭に初雪
朝靄をナビ作動せず開戦日*
煤逃や防犯カメラめく鴉*
*印の句は、俳句幼稚園でアドバイスや推敲案を頂いて推敲したものです。
◆◆◆
今年も一年、自分の中で俳句の世界がまた少し広がりました。
俳句幼稚園の皆さんと、「二十週俳句入門」で共に学ぶことができた。
俳句ポストに欠かさず投句でき、中級に挑戦できた。
句具句会と房州オンライン句会。「句会」というものに生まれて初めて参加できた。
何冊かの句集やNHK俳句のテキスト、またnote内で、いろいろな方々の俳句を読むことができた。
note内での俳句関連の企画に非常に楽しく参加できた。
そして俳句幼稚園という、いつでも温かく真摯に向き合っていただける場があり、仲間がいる。
非常に恵まれた一年でした。
関わって下さった全ての皆様に、心から感謝申し上げます。
また個人的には、今年はアメリカ国内で引越しをしたことと、それに伴う様々な変化は非常に大きなものでした。今の地に来たのが三月下旬で、その前まで住んでいた乾燥地と違って、色とりどりの花が咲くのを見て感動の連続でした。その中でも特に目を奪われた花が、トップの写真の花です。
来年は、
過去や現在の方々の俳句や鑑賞文をもっとじっくり読み、自分なりにも鑑賞して言葉に表してみる。
意識して季語を体験する。
自分が詠んだ句を、整理して記録する。
ということが俳句の目標です。
俳句幼稚園の皆様、note内で交流をして下さった皆様、本当にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします!