見出し画像

季語: のぼり鮎/若鮎、と、推敲(落し角)と...


天城山宿雨やのぼり鮎だより

(あまぎさんしゅくうやのぼりあゆだより)

若鮎のたよりや天城山に雨

(わかあゆのたよりやあまぎさんにあめ)

◆◆◆◆◆

二句とも、同じことを詠んでいます。どちらがよいですか?

鮎の遡上のことを検索していて、鮎の「友釣り」というのの発祥の地と言われている川の一つが、なんと、自分が子どもの頃に住んでいた地域を流れていた狩野川(静岡県)だったとは!これも、俳句のお陰で知ることができました。
若鮎やのぼり鮎についてのブログなどを読んでいたら、「ようやく狩野川にまとまった雨が降って安心していたところ、沼津の釣り友から今年初めての『のぼり鮎』の報告があった」というような記述を見つけました。狩野川の源は天城山。「宿雨」は、前日から降り続く雨、または長雨、という意味だそうです。


◆◆◆

推敲

◇元句: 剃りあとの顎のまろきや落し角
→ 髭剃つて丸くなる師や落し角

◇元句: 落し角筆擱く明けのミルクティー
→ 落し角描けば夜明けのミルクティー
(もとの着想は、「筆を擱く」と「落し角」を重ねたところからでした。アイデアとしてはとても♪気に入りつつも、元の句は、説明がないと、意味も場面も想像がしにくい句ではないか?と気になっていました。
アポロさんから「落し角を描く」というアイデアをいただき、その方向での推敲となりました!)

今回も、貴重なコメントをたくさんいただき、推敲を考えて下さったり感想やご意見を下さったり、皆さま本当にありがとうございました!

◆◆◆

おまけ(レガッタ)

レガッタや水の都の風碧し

競漕もレガッタも、詠めませんでした。
この句のレガッタは、春の季語としての「レガッタ」の本意からは外れていると思います。レガッタという言葉が、ヴェネチアのゴンドラ競漕からきているという説明を読んでの一句です。
今のこのご時世の初期、二年前の春に、観光客がいなくなったヴェネチアの水が、驚くほどきれいになったというニュースを見ました。水の澄むヴェネチアには、その水と同じような色の春の風が吹いていたのではないかなぁと。今は観光も復活していると思われる水の都、きれいな水は保たれているでしょうか。

◆◆◆

トップの画像は、yumetamaさんよりお借りしました。

ここまでお読み下さり、本当にありがとうございます。ご意見やご感想など、今日もどうぞよろしくお願いします!