左足のふくらはぎが肉離れを起こしたのは
高校最後の全てをかけた夏だった。

あの夏、あの瞬間、
ぷつりと音をたてて私の中の何かが切れた。

繋ぎ止めたのは…
何も感じない数分間を凪と言った母の言葉。

「まるで凪みたい」

叶うなら凪の世界でもう一度この脚が刻む音を聞きたかった。
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