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#011 紅鮭がゆに救われた話
無謀な1日を終え、やっとの思いで帰宅しました。すごい疲れが押し寄せ、何も食べずに夕方6時からベッドに倒れ込み、瞬時に意識の幕が降りた。強制シャットダウン。不本意ながらの爆睡。
…目が覚めると、深夜0時を回ったところ。頭はズキズキ、歩きすぎた足が猛烈に痛い。さらにじわりとみぞおちのあたりから締め上げてくる不快な感覚。これは、あれだ。お腹が空きすぎた時におちいる、空っぽの胃がキリキリと悲鳴をあげてくる感じと軽い吐き気。
とりあえず何か飲もう。バッグにあったペットボトルのお茶を飲んでみましたが、キリキリは消えません。何か食べるものは…ごそごそと探索した結果、見つかったものは、以前おつまみ用に買っていた未開封のさきいかのみ。
何か胃に入れなければ…でもこんな時、さきいか食べたらマジでやばすぎる。何か他にないのか?何か…???頭痛とともに、焦る視界に飛び込んできた、銀色に光る1袋のパウチ。
紅鮭がゆ。
こ、これだ…。じんわりと冷たい汗を額に感じながら、震える手で握りしめたものの、もはや温める気力もない。どうしよう。これってそのまま食べられるのかしらん?おそるおそる裏を見たら「温めなくてもそのまま食べられます」
嬉しくて涙が出そう。このひとことをパッケージに添えてくれた開発担当者の人のすごさよ、本当にありがとう。
パリッ、パウチを開けてほじっと銀色のスプーンをつっこみ、パクリ。
お、美味しい…(涙)
ほんのりとした塩味のつやつやとしたお粥に、やさしいピンク色の鮭のほぐし身が、いろどりを添えている。
温めてすらいないのに…ただ袋を開けて食べてるだけなのに…なんというこのクオリティの高さ。
ありがとう、味の素さんよ!!!
食品企業の技術の粋。白い衛生作業服に身を固めた研究者の方々が、日々検証に検証を重ねた結実としての、商品の完成形。
たとえ歯がなくてもすりつぶせる程度にやわらかく煮込まれた、正真正銘のニッポンのお粥文化ここにあり。
深夜にひとり、感激に胸を熱くしながら、ひと匙、またひと匙。
すると、なんということでしょう。キリキリと悲鳴をあげていた胃にお粥がじんわりと馴染んでいくのがわかる。そして痛みは落ち着き、まるで魔法のようにスッと消えていきましたとさ…。
紅鮭がゆに救われました。
紅鮭よ、お米よ、海よたんぼよ太陽よ。漁師さんに農家さん、レトルト作ってくれた人、流通してくれた人、お店に並べて売ってくれた人、なぜか部屋に置いていた自分、その他ここに書ききれない無数のみなさま、ありがとう。