40 12月４日

とうとう契約の日となった。
この数日間この話には触れずに淡々と過ごした。
ただ契約となると両親も行かなければならないので、午後から契約に行くよという事は繰り返し伝えていた。
施設側には入居に関して何も問題がない、という体でいたのだが実際は当日になってごねないかと不安で仕方がなかった。
叔父が車で連れて行ってくれるというので、例え母がごねたとしても叔父がサポートしてくれると思うと少し気が楽だった。
施設長　看護師　スタッフ数名　ケアマネージャー　介護用品の会社の皆さん、両親　叔父　私の大人数での契約だった。
説明は丁寧でわかりやすく揃いもそろって感じの良い方々ばかりだった。
驚いたことに母は、こんな素晴らしいところに入れるなんて夢みたい！
みなさん親切で嬉しい！
いつから入れるのかしら！？
と信じられないような事を口走り、終始笑顔であった。
私はその証拠を動画に収めた、なぜなら帰宅してからそんなこと言ってないなどというのは日常茶飯事だったからである。
だから自分でそう言っているよと言う証拠を動画に収めたわけである。
これさえ収めておけば後で母の気が変わっても自分が話している動画を見せれば納得せざるを得ないだろう。