18　高齢者の移動

高齢者の移動は想像以上に時間が掛かる。
出発時間になってからトイレに行ったり、鍵を探したりする。
そしてそれが原因で夫婦喧嘩になる。
はたから見ればどっちもどっちであるし、口論する暇があるなら建設的に身支度を進めればよいと思うのだが、何十年とそうやって生きてきた人たちである。
玄関を出てからも、車までの数メートルをたどり着くのに1分はかかり、そこから車に乗り込むのに30秒ほどかかる。
父の足がうまく上がらないので、片足が入った時点でお尻を押さなければならない。
乗り込んだら乗り込んだで戸締りは大丈夫か？
カギは持ったのか？
僕の黒いカバンはどこ？
ティッシュペーパーちょうだい（パーキンソン病の影響でよだれが出る）
と私であれば30秒でできる事が5分以上かかる。
これがその年齢相応の事なのかは、同年齢の人たちと関わった事が無いのでわからないし、自分自身もそうなるのかもしれない。
明日は我が身なのかと思いながらも、問題解決型思考の私にとっては行きつ戻りつしてなかなか前に進まないこの状況がストレスになるのだ。
感情に寄り添いゆったり構える事が私の多きな課題でもある。