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36 パニック発作

ブチ切れ発狂し家出をしたは良いが、あまりの寒さに家に戻ると、両親は何事もなかった様子であった。
母に至っては、
寒かったでしょう。
と、私が今どういう状況なのか全く理解していないようだった。
私は少し拍子抜けしたが、両親の顔を見るだけでもしんどくなるので、2階で作業しているから声をかけないでくれと言って2階に上がった。
平和そうにお茶をすすりテレビを見る両親とこれ以上同じ空間にいられなかった。
こちらはまだ心が乱れ叫びだしたいほどに苦しいというのに、そのことが二人とも全く理解できていないようだ。
認知症とは家族にとって残酷な病気である。

母はノックもなしに2階の扉を開けてくるので、私はドアに
あけるな!
と赤字で書いた紙を貼った。
もう限界だった。
私は以前パニック障害があった。
彼らの顔を見ると手が震える、これ以上関わるとパニック発作が出そうであった。
手が震え、心臓がバクバクして来たら呼吸が荒くなり苦しくて息を吸おうとする。
吸い過ぎる事で吐く事ができなくなり呼吸困難になる。
20代の頃六本木のクラブで働いていた頃に初めて過呼吸になった。
心臓がバクバクしてバックヤードで休んでいたら、ママが袋を吸うといいよと教えてくれた。
シンナー吸ってるみたいだねと笑っていたが不思議と呼吸が落ち着いた。
まさか自分の両親が原因でここまで精神的に追い詰められるとは思いもしなかった。

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