
35 限界
もうこの二人のことを私一人で背負う事は無理だ。
良かれと思って良いほうに動き出すと、双方ともに邪魔をしてくる。
家の片づけを始めた時もそうだ。
あきらかに使わないであろう私が生まれた時に使っていた毛布、小学生の時に使っていた文具や文集、捨てるよというと100%反対する。
だからこっそりとわからないように大量処分をしてきたのだった。
西洋占星術の知識がある方はきっと頷かれるだろうが、
私の出生チャートの太陽の上に、両親(特に母はオーブ1度)の土星が乗っている
わたしの太陽(人生の方向性や生き方)、それに両親の土星(制限、忍耐、重圧、具現化)があるという事は、私が自分の人生を生きて行こうとするうえで、両親から抑え込まれる、しかしそれを克服する事によって、ゆるぎない自分になるという魂の成長のためにこの両親を私は選んだのであろう
事実子供の頃はずっと制限と重圧をかけられていた。
だからその制限が外れた時、その分の反動で毎晩夜遊びしていたくらいだ。
いたたまれなくなって家を飛び出したは良いが、一番近いコンビニでも歩いて5分ほどである。
どうしたものか、私は叔母に電話を掛け状況を話した。
叔母の家は歩いて20分ほどであるが、元気とはいえ85歳で心臓病を患っている為、冬の北海道は厳しい。
そんな状況ではあるが、叔母は午前中に来てくれるという。
とりあえずお母さんと話すからちょっと待っててね。
口うるさい事を言ってきた叔母ではあったが、この時は心底感謝した。