「人が直接」売ることの意味とは?販売員としての気づき
皆さんお世話になっております!
店舗コンサルタントの柴田若菜です。
現在私は、実際に私が店頭で販売をしてメーカー様の売上を上げる
「プロ販売員」としても活動しています。
先日、美容家電(ドライヤー・ヘアアイロンなど)販売案件の初日があり、
私が接客して購入してくださったお客様が16名(うちクライアント様の商品を購入してくださったお客様が12名)いらっしゃいました!
無事にメーカー様の繁忙期予算も超過達成することができ、少しは貢献できたのではないかとホッとしております。
そのような成功体験を積ませていただく中で、改めて「人が直接」売ることの意味は主に3点あると感じたので、今回シェアさせていただきます。
今販売員として働かれている方は勿論、オンライン販売や無人店舗に押されて自信がすぼんでしまっているお店の方々、
そして何より、「人の力を信じる全ての方々」に読んでいただきたいです!
よろしくお願いいたします。
人が直接売る意味①:商品の代わりに、目の前のお客様に合ったアプローチができる
大前提として、商品には私たち人間のような五感・口・脳がありません。
ドライヤー販売でいえば、商品がお客様の髪を拝見したり触らせていただいたりして、どんなドライヤーを使っていただくべきか考えることはできません。
お客様が話す言葉のニュアンスを聞き取ることも、商品の説明をすることはできません。
そのため、目の前のお客様に合う商品を考え、お話しをする中で響く言葉を組み立て、それを実際にお客様に伝えていくことは、人が直接売るから可能なのです。
例えば私がヘアアイロンを販売した若い男性のお客様は、お話しをする中で実はヘアアイロンを買うのは人生初であり、失敗しないか不安であることが分かりました。
その情報を基に私は、数ある自社ヘアアイロンの良さの中から「アレンジ初心者でも使いやすかった」というコメントこそがこのお客様にぴったりだと「考え」、それをお客様に「語った」のです。
それも、「お客様の髪の長さであればこの種類がぴったりです」といった言葉や、「他の方も使いこなされているので安心ですよね」などの感情も一緒に。
このように、商品の代わりにお客様について考え、適切に言葉でアピールできることが、人が直接売ることの価値なのだと思います。
人が直接売る意味②:共感を通じて、お客様とその商品の距離を縮められる
また、商品は感情を持ちません。その一方で、お客様には感情があり、購買行動はその感情に大きく影響を受けます。
購買にいたるまでの段階についてはAIDMAの法則(注意を向ける→興味を持つ→欲求を抱く→記憶に残る→行動(購買)する)が有名ですが、
それを更に細分化したものに「購買心理の8段階」があります。
「注目→興味→連想→欲望→比較・検討→信頼→決心→行動→満足」です。
これを見ると、興味を持つ・自分が実際に買った後のことを連想する・欲しくなる・その商品のことを信頼する・買ってその良さに満足する、など
いかにお客様心理が購買に関わるかがご理解いただけると思います。
ですが、商品自体は感情を持ちません。
そんな商品とお客様の橋渡しを行い、距離を縮められることが、
人が直接販売することの価値です。
私自身、自分が販売してるメーカーさんの商品を普段使ってるのですが、その商品を知ったときに心が動いたポイント、世間の商品イメージへの思い、他の商品と悩んだポイント、実際に使ってみての満足感などを全て自分の言葉で語ることができます。
だからこそ、自身が以前体験した感情をお伝えすることで、今まさにその感情でいらっしゃるお客様をサポートし、販売できるのだと思います。
人が直接売る意味③:商品の良さを体現できる
最後に、商品は人間の身体を持ちません。商品は、商品を身に着けることも、商品の効果を試すことも、商品を体験することもできないのです。
②とも関係しますが、お客様とお話ししていた際に「お姉さん本当に髪綺麗ですもんね…そうなりたいから買います!」と言っていただいたことがありました。
大変恐縮してしまったのですが、その時に気づいたことが「私自身が商品の良さを体現しているのだ」ということです。
お客様にとって大切なことは、その商品によって「自分という人間がどのように良い方向に変わっていくのか?」に尽きます。
この疑問に答えるための最高の方法は、「同じ人間が良い方向に変わっていった様で魅せる」ことです。
効果が目に見えない商品の場合は体験を語る②の意義と重なってしまいますが、効果が目に見える商品の場合は大変大きな効果をもたらします。
これは、ただ商品を置いているだけではできませんし、オンラインなどお客様が五感で商品価値を感じることが難しい販売方法でもできない「人が直接販売する」ことの意義ではないでしょうか。
そのためにも、常に「私はこの商品の価値を伝える人間としてマッチしているか」という視点を持ち、自分を磨き、現場に立ち続ける必要があると感じました。
おわりに:人が直接売らない世界観との共存
ここまで「人が直接」売ることの意味を書いてきましたが、実際にイメージしていただくことはできましたでしょうか。
Amazonなどのネットショップの台頭。無人店舗に代表される顧客接点の減少。最近ローソンの実験店舗には、「自薦·他薦ロボ」なるものまで設置されました。
買い物客が商品を手に取った事をロボットが認識し「とっても美味しいよ。手に取って欲しいなー」と話しかけるそうです。
購入に向けたアピールすらも、人間以外がやる時代がやってきています。
それでも、今回書かせていただいたような「人が直接」売ることの意義は全く変わりません。
また昨日話した友人は、「大きな買い物をするときに、自分で色々調べてどれがいいか分かってるんだけど、気持ちがなんだか追い付かないから誰かと一緒に買いたくなる」と言っていました。
このような、心理面のサポートも多いに「人が直接」売ることの意義だと思います。
単に必要に迫られていつもと同じものを買うときには、いかに効率的に商品を買えるかが顧客にとっての価値となるでしょう。
しかし、自分が何を買えばいいのか分からないときや、商品がもたらす効果に期待をしている時には、その人に合ったアプローチをきめ細やかにできる「お客様と同じ人」である販売員が必要です。
今後も販売経験を積む中で様々なことに気づいていけると思いますが、今回はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!