Teal Journey Campus
こんにちは。急にお洒落な記事を書きそうな雰囲気を出したくなったあおやぎです。
先日、英治出版さん主催のカンファレンス
「Teal Journey Campus ティールをブームからムーブメントへ」に参加してきました。
組織開発についての本がお好きな方ならおそらくご存知の本『ティール組織』は、その訳書が英治出版さんから2018年1月に発刊され、日本でも大きな反響を呼んでいます。
今回はその著者のフレデリック・ラルー氏がアメリカからおいでになり、そしてティール探求者のゲストも登場されました。
ラルー氏やゲストの方々によるトークセッションだけでなく、12種類ものテーマが用意されたテーマ別セッションがひらかれ、参加者は1日をかけて様々な角度からティール組織に触れたり、ティールという言葉にしばられずテーマへの考えを深めたり。
いつもnoteで奇妙なことを大まじめに書くあおやぎですが、今回はちゃんとした頭で考えたことを書くつもりです。なるべく手短かに。
フレデリック・ラルー氏の“purpose”
ラルー氏、と書くとなんだかお堅くて遠い存在のように思えるのでさっそくやめて、ラルーさんと書くことにします。
カンファレンスは10時に始まり、アイスブレイクに続いてラルーさんの講演。
未熟者の私がラルーさんのお話を聞いて、その印象を一言で言おうとするならば、「なんて知的で、それをひけらかさず、ユーモアと観察眼で人を楽しくさせる方なんだろう」でした。
傍で(時にはラルーさんのように歩き回って)通訳をする大変魅力的な通訳者の方の力も相まって、終始講演に聴き入ってしまいます。
「あなたのpurpose(目的)について話してください」と言われたラルーさんですが彼は人生の目的というより、彼の人生にどんな物語があって、どのような思いで組織について考えるようになったかを語りました。そして、私が最も重要だと感じたのは以下のメッセージです。
目的(あおやぎ解釈:人生でやるべきこと、人生の方向性)は自分で見つけたり考えるものだと、一般的にはそう考えられている。
しかし自分が見つけるのではなく、目的のほうが自分を見つけ、その繰り返しが人生になっていくのだ。
「目的」は「これだ」と思うアイデア、と言ってもいいかもしれません。ラルーさんは最終セッションで、こうも言っていました。
「あなたを通して生きたがっている生がある。それに耳を澄ませてみよう」
「purposeが今、明確だという人はそれを楽しんで。それが何なのかわからない、という人は、悲観せずその状態を味わえばいい」
ラルーさんの言葉はもちろんもっと豊かな広がりをもっていて、私がそれをまとめきれていないのですが、この2つの言葉は私にとって特に重要なメッセージとなりました。
トークセッション
「これからの教育を考える」
午後のセッションでは、「これからの教育を考える」と「NVC 人と組織に活力を与える共感的フィードバック」の2つに参加しました。
最初に参加した「これからの教育を考える」では、かえつ有明中学高等学校の佐野先生、きのくに子どもの村学園南アルプス子どもの村中学校の加藤先生(かとちゃん)、モデレーターとして後藤友洋さんが登場。
それぞれの学校ではどんなことが起きているか、というお話に始まり、適宜後藤さんがお話を拾い・広げて教育についての問いが生まれていきました。
最後の質疑応答の時間まで含めて私が感じたのは、「学力とは何なのか」「子どもたちにとって自分はどんな存在でありたいか」を考え続ける人々こそ、教育に携わる場には必要だということでした。
かとちゃん(加藤先生)のおっしゃっていた言葉が忘れられません。
「学力って、今まで“測る”ものだと思われてきましたよね」
子どもの時期に身につけるべきことって、正解のある問いに正しく答える能力なんだろうか?
教師がやるべきことって、子どもが問いに正しく答えられるかどうかを測ったり、正しいものを教えることなんだろうか?
こんな疑問があらためて浮かんでくる言葉でした。
私は大学生のとき教育学部に身を置き、小・中・高校のさまざまな授業を見学しました。教員の皆さんが活発に議論し、授業について振り返るところも。
自分自身は教員の道を選ばなかったけれど、身近な人たちがその道を進み、日々悩んだり喜んだりしているところも見ています。
今回のセッションで感じたのは、授業がうまくいくとはどういうことか、子どもが成長するとはどういうことか、教師の存在とは何のためにあるのか、といったことこそを大切に考えられる教育者が増えてほしいということでした。
私の友人たちはきっとそういうことを考えています。だから、彼らが関わっている子どもたちが大きくなるのが、とても楽しみです。
そして学校教育の現場と直接関わる仕事をやめた私も、「人の成長」や「チーム」「対話」といったテーマが気になっています。「対話」のなかには「自分を助けることば、他者を理解しようとすることば」というテーマもあります。
今後も、知らない世界に臆さず、テーマを探求する集いに飛び込んでいきたいと思いました。
ラルーさんの言葉を借りると、
「痛みや傷を、ギフトに変えて」。