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読書感想『生殖記』朝井リョウ

拡大、発達、成長!!!

とある家電メーカー総務部勤務の尚成。
尚成は自分の持つ個性により、あらゆるやる気を失くしただ日々を消化することに全力を注いでいる。
暮らしていくために仕事をし、社会から排除されないために周りに擬態し、それでいてこの社会をどうでもいいと思っている尚成。
そんな尚成を客観的に尚成の生きるこの現代社会を辛辣に、分析して尚成の○○が語る異色作。


…何これ。なにこれ~(笑)
いやもう一回言わせて、ナニコレwwwwwwwwwww
いや、凄いわ…こんな、こんな主人公どこから思いつくの????
この本は、現代日本でマイノリティーな尚成が、それをひた隠しにし現代社会に溶け込むために全てを諦めたうえで、尚成なりに人生を消費しようとしている日々が語られる一冊である。
いや、それをね…語ってるのが…なんと、尚成の『生殖本能』なのである…。
しかもコヤツ、『生殖本能』としていろんな生物に宿り渡り歩いてきた、人間は二回目の『生殖本能』なのである。
あ、ちなみに人間オスは一回目だそうですが…
え? 待って、マジでこんな主人公ありなのかwwwwww
尚成の本能でしかないコヤツ(彼か彼女かもようわからん…あー尚成のムスコだから彼でいいのか…?)はもちろん誰にも認識されておらず、尚成本人とは別のところで勝手に好き勝手に尚成を分析し、独自の人間社会とは、を永遠語っているのである。
もう一回いう、何コレwwwwwwwwww
尚成の生殖本能がズバズバと現代社会の違和感をぶった切っていっちゃう感覚が意味わからんのに、個人的にはすさまじい共感…
というか、ヒトという生き物の歪さ、現代社会というコミュニティーの気持ち悪さ、その中でマイノリティーである時に勝手な現代社会にブチ切れていいんだぜ★な論調…全部滅茶苦茶面白かったんですが…。
いったい今僕は何を読んでるんだ?…って一瞬真顔になったんだが、もうね、現代への解像度が凄い。
今まで見たことない主人公が、言いたい放題現代社会を分析しており、ちょっと哲学書めいてる部分もあるんだが、これは面白いわ…思いのほか早く読み終わっちゃって仕事帰りに読む本無くなっちゃったよ(笑)
いやぁ、マジ今まで出会ったことないわ、こんな本…。
まさか『生殖本能』に共感する日が来るなんて…

こんな本もオススメ


・朝井リョウ 『正欲』

・伊坂幸太郎『あるキング 』

・古川 日出男 『ベルカ、吠えないのか?』

似たような小説もこれが好きな人はこれが好きじゃね?も浮かばんwwwww
なんか、語り口に圧倒された小説をお勧めしてみる(絶対これじゃない感あるけど)

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