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中小企業の業務効率化

割と中小企業の経営企画と業務効率化は関連性が高いかなと思ってます。会社全体あるいは特定の部署の効率化、いずれにしても実際の担当者よりも客観的な立場で見れる人間のほうがやりやすい点があります。そういった意味では経営企画室は適任とも言えるでしょう。
 
私も経営企画として業務効率化に関わった経験がいくつかあります。その中でも一番印象に残っているのが、

「4人でやっている業務を1人でやってください」

というものです。

当時の勤務先にマーケティング部という部署があり、4人のメンバーで飲食店80店舗(同一チェーンではなく、2つほどのチェーンと10店舗の個店という形で、使っているPOSも3種類くらいある状況)ほどの売上データを毎日集計、客数、KPIに関するデータを週1回の会議の資料にまとめていました。これを、マーケティング部には本来のマーケティングの業務に取り組んでもらうために、これらの業務を引き取ってくれという話でした。

大まかに業務を整理すると、
・毎日、POSの売上データを引張ってきて、エクセルの売上表に貼り付ける
・そのデータをもとにその月の売上予測、店舗ごとの予想PLを作成する
・週次の会議資料は、各店舗が作成しているエクセル資料からマクロを使ってデータを抜き出して、データベースとなっている別のエクセルファイルに貼り付けて、資料を作成する

というもので、これを4人のメンバーのうち休みもあるので出勤している3人が対応している、特に会議資料は土日を使って3人ずつで対応をしているという形でした。

業務効率化1 業務の把握と診断士の知識

もちろん、4人で対応していた業務をそのまま1人でできるとは誰も思ってないので、業務の見直しや必要なツールを導入して対応してくださいということでした。早速、毎日売上表を提出するのは無理なので、出勤日だけに変更しました。あとは、守破離ではないですが、まずは内容を把握しないといけないということで、それまでのやり方を一通り教えてもらい対応をしました。
 
やってみてわかったのが、まず、マクロでのデータ集計が無理ということです。これはどうやって作ったのかある意味尊敬するほど複雑なマクロで、しょっちゅう止まってました。で、スペックのよいパソコンに変えたのですが、それでも不安定なのと、自分がマクロに詳しくないので何かあっても修正などができないこともあり、ここは見直しポイントとなりました。

また、会議資料の中でも、会議でほとんど話題になっていない資料もあったりしたので、役員や運営側に確認をして、要らない資料は削除するようにしました。中小企業診断士試験では、生産管理のところでECRS【Eliminate(排除:取り除く)、Combine(結合:つなげる)、Rearrange(交換:組み替える)、Simplify(簡素化:単純にする)】について学ぶのですが、このときの私はいかにEliminate、Simplifyするかを考えていました。このときは、診断士の勉強をしてよかったなと心の底から思いました。

業務効率化2 ツールの見直し

資料のボリュームを減らしたところで、ツールの見直しに取り掛かりました。具体的にはRPAの導入です。実はRPAの導入は1回失敗していて、それはそれで長くなりそうなのでまた改めて書きたいと思いますが、最終的には、しっかり軌道にのせることで、1人で対応するところまで持っていくことができました。

会議資料に関しても、土日に3人で丸2日間かけていたのが、最終的には1人で半日程度で作成していたので、RPAの導入費を含めても業務効率化としては十分な結果を得られたかと思ってます。
 

業務効率化のポイント

ツールを見直したというのも大きいとは思いますが、より重要なのは業務の見直しかと思ってます。そして、その見直しは現在の担当者だけでは難しく、客観的に判断できる経営企画(しかも診断士を持っている)が担当して、役員や他部署と調整していくのがいいと思います。
 
そこにITツールの導入を検討するのであれば、見直したあとにしかるべきツールを検討していくという流れがよいです。

もし、自社の業務の中で、効率化したいものがあれば、ぜひ経営企画の担当に頼んでみてください。もし、経営企画の担当者がいない、いるけど得意分野ではないということであれば、ご相談いただければと思います。


 


 


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