忘年会短歌講評のひととき ~和歌のお仕事記~
あなたは忘年会の幹事です。
純粋な親睦の飲み会にするのもいいが、なにかひとつ、企画のようなものも欲しいかもしれない。さて、どのような企画を考えますか?
K様「社会人サークルの忘年会で一年を振り返る短歌を詠もうと思います。講評をお願いできますか? 」
梶間和歌「なんというセンス!!! 」
忘年会短歌講評のひととき ~和歌のお仕事記~
文化的運動系サークルさんとの出会い
ここ数年、梶間和歌のオンラインでの活動はX(旧Twitter)やnoteが中心になっているのですが、
いちおう、ココナラというプラットフォームにもアカウントは持っておりまして。
年に2,3回、忘れたころにご依頼やご相談の入ることがあります。
先月も、2,3ヶ月ぶりぐらいにココナラからの通知が来まして、その内容が冒頭のとおりでした。
社会人サークル、しかも運動系サークルの主宰でいらっしゃるというK様。
その忘年会で、一年を振り返る短歌を全員で詠みたい、その講評をしてほしい、
ということで……なんと文化的に意識の高い運動系サークルさん! 喜んでお引き受けしました。
事前に何度かやり取りをし、どのようなイメージで進めようとしているか、一年を振り返る短歌をどのように詠んでもらうのが良いか、などを擦り合わせ。
私のほうでも、初心者さんならば何かヒントがあったほうがやりやすいだろうと考え、
「こんなふうに創るとやりやすいですよ」
「こういう詠み方をすると共感が得にくくなるので気をつけてね」
といったポイントをまとめた資料を作り、お渡ししました。
実は経験者? 力作ぞろいにびっくり
さて、ココナラでのお仕事はオンラインで完結するものに限られるため、
この時もトークルームでの事前の相談のあとは忘年会当日、ビデオチャットでお話することになりました。
開催数日前に忘年会主催、そしてサークル主宰のK様が参加者の皆様に「こういう企画をするので、みんな短歌を詠んできてね」と連絡、私の資料も配布済み。
当日のビデオチャットは17時からでしたが、会場の皆様はもう少し前に集まり、飲んだり食べたりしつつ。
また、お歌の完成していない方はぎりぎりまで創っておられたようです。
全17首のお歌の揃ったのは17時の1,2分前でした。ご協力ありがとうございました。
17時にビデオチャット開始、簡単な自己紹介をしたのち、
3位から1位の歌を順に発表し、私の講評と作者のコメント、それに会場の皆様からのご感想などを交えながら楽しく進めてゆきました。
もちろん、言葉は優しくとか、前向きな気持ちでコメントするとかの前提はこちらにもあるのですが、そうしたものを脇においても
「抽象と具体のバランスがとても良いです」
「これが具体的な地名であるほうが良い場合もありますが、この歌の場合は固有名詞でないこの形のほうが良い」
「情景がありありと浮かびます」
「この技術が使いこなせるとは、実は、経験者ですか? 初めてとは思えない出来です」
など、お世辞抜きですてきだと感じられるお歌が3首! お見事でした。
また、3位以内には入らなかったものの候補に入っていたお歌のすてきな点、惜しかった点などもコメント。
最後には
「僕の歌はこれなのですが、これへの講評をお願いします」
と勇気ある挙手も!
こうして始終笑いの絶えない講評タイムでした。
大切な忘年会の貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございました!
実作者から教育者へ
会社や取引先などのお仕事関係でない、自主的に集い活動されている社会人サークルさんの、一年を締めくくる親睦の忘年会。
その貴重なお時間の一部を
「一年を振り返る短歌を創ろう。そして、内輪で楽しむだけでなく専門家の講評をもらおう」
ということに使う、などというサークルさんがあるとは、本当に驚きました。
世界は広いですね。そして、希望にあふれています。
このたびご縁を頂きました皆様、改めまして、誠にありがとうございました。
もし今回の忘年会で「短歌とか和歌とか、楽しいな」と思ってくださいましたら、梶間和歌が講師を務めている裕泉堂歌会や、無料で観られるYouTube動画なども覗いてみてくださいね。
ココナラについては積極的に「やっていますよ」と示してはいないのですが、これを機にnoteのほうでも振り返ってみました。
もし「私のサークル、勉強会にも来てほしい」というご要望がありましたら、ココナラ経由で、またメールなどで直接お問い合わせくださいね。
waka-kajima☆hotmail.co.jp ☆→@ (梶間和歌)
また、このたびお作りした、初心者さん向けの資料。
個人情報なども入っていないので、こちら、少しだけ手を入れたものをシェアしますね。
和歌や短歌を詠んでみたい、もっとうまくなりたい、という方はぜひ読んでみてください。
(読んだよ、良かったよ、などのコメントが来たらとてもうれしいですが、こっそり読んで詠歌に活かしていただくだけでも公開のし甲斐があります)
後日、この資料をもとに動画を撮影しようと思います。
もちろん、今回のサークルの皆様の個人情報や詠んでくださった短歌作品に触れることはしませんので、ご安心くださいね。
撮影した動画はこちらのページに追加してゆきますので、数日後にぜひ覗いてみてください。
【追記:動画撮影、公開しました! 】
【追記ここまで】
こうした資料が30分そこらで作れるあたり、
裕泉堂歌会で初心者さん含む参加者の皆さんに和歌や短歌の詠み方を教えてきた経験が活かされているなあ、としみじみ。
また、年に2回のペースで小学生さんに短歌を教えるお手伝いもしているのですが、こちらも力になっていたなあ、と感じました。
和歌についてガチ勢すぎるあまり、受講者さんを怖がらせたり逆ギレさせたりすることでお馴染みだった誰かさん。
「向いていない……本当に向いていない……」と言いながらも教えることを少しずつ積み重ね、なんだかんだ力は付いていたのですね。感謝。
(こんなコメントを頂く存在になれるとは、2021年歌塾講師の時点では想像もできなかった……)
どこまで行っても梶間和歌はプレイヤー、和歌実作者であるわけですが、
人に教えることや、優しい言葉で励ましたり導いたりすることも、昔よりはできるようになってきたようです。
人間の可能性は無限大、とは思いませんが、自分で思うよりは大きいのかもしれませんね。だからこそ、生きるのはおもしろい。
いえ、ただ漫然と生きているだけでおもしろくなるほど人生甘いものではありませんが、
真摯に誠実に生きていれば必ず、想定外のおもしろさがあるのだと思います。
頂いてきたお仕事について、ひとつひとつレビュー記事を書く時間はなかなか取れておりませんが(あと、公開できないものもある)、
こうしたお仕事レビュー記事も今後は意識して書くようにしようと思います。
シリーズ化するつもりで「和歌のお仕事記」とタイトルを付けてみましたが……続けられるかどうかは……今後、お見守りください。
それでは、またね。
和歌活動を応援する
梶間和歌がつつがなく和歌創作、勉強、発信を続けるため、余裕のあります方にお気持ちを分けていただけますと、
私はもちろん喜びますし、それは日本や世界の未来のためにも喜ばしいことであろうと確信しております。
「この無茶苦茶な生き方を見ていると勇気がもらえる」
「こういうまっすぐな人が健康に安全に生きられる未来って希望がある」
なんて思ってくださいます方で、余裕のあります方に、ぜひともご支援をお願いしたく存じます。
noteでのサポート、その他様々な形で読者の皆様にご支援いただき、こんにちの梶間和歌があります。ありがとうございます。
特にこのたび令和5年の隠岐後鳥羽院和歌大賞で古事記編纂一三〇〇年記念大賞を受賞し、表彰式を含む大会のツアーに申し込み、ツアー代金(9万円弱)は生活費と別に工面することになりました。
そちらのツアーには無事参りましたが、翌年また城南宮・鳥羽殿賞を頂き、表彰式ツアーへの参加を希望しております。お気持ちとお財布事情の許します方に、ぜひともご支援を頂けましたら幸いです。
令和5年、6年分ともに、ツアーの様子はこのマガジンで連載して参ります。どうぞお楽しみに。
今後とも、それぞれの領分において世界を美しくしてゆく営みを、楽しんで参りましょう。
この記事を書いた人