【2018年12月】自選10首
こんばんは。若枝あらうです。
12月はもしかすると、短歌を始めてから一番詠むのが苦しかった時期かもしれません。正直、自選もできないかなぁとすら思って遅くなったのですが、探してみると出してもよさそうな歌はそれなりにあって。なんだか「もっと良い歌を詠まねば」みたいな強迫観念が強くなっているのだと思います。ただ、歌会などを通して自分が向き合うべき課題もちょっと見えてきたし、成長痛みたいなものなのかな。たぶん、そんな10首。
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まっすぐに生きていけない毎日にそっと馴染んでゆくまげわっぱ
これが恋ならよかったなグーグルの前ではあたし馬鹿でいられる
終電をかぼちゃに変えてしまうなんてあなたは悪い魔法使いね
うそを吐くその息すらも白くして冬はぼくらに魔法をかける
ちからをくれよディストーション よわむしな俺にも愛がさけべるように
いちばんたかい鉄棒に届く手はあの日の夢にまだ届かない
なんとなく確保していた金曜の夜の隙間にしみるタンメン
研ぎすぎた爪は獲物に届かずに目元を拭うのに適してた
変わらずに綴るのだろうきみの名は姓を選ばず美しいから
失った小銭くらいの感傷であなたのいない日々を生きてる
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あとは、2018年の自選5首もおいておきます。
11月以降に詠んだ歌はこの5首に入らなかったのですが、前述の通り成長痛だと思うことにして、2019年も楽しく世界を広げられればいいなと。
みなさま、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
では、また。