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相談に乗ってもアドバイスはしない
こんにちは!ご覧くださって、ありがとうございます。
*SNS相談員と日本語教師をしています。ワカです。
*SNS相談員とは:LINEなどを使いテキストのやり取りでカウンセリングを行うカウンセラーのことです。現在は47都道府県全ての自治体で、DV、メンタルヘルス、児童虐待、子育て、引きこもりなど、さまざまなSNS相談事業が実施されています。
「どうすればいいですか」と聞かれた時
学生から悩み相談を受けて「どうすればいいですか」と聞かれた時、どうしましょうか。
傾聴ではアドバイスをしないように習ったし、とはいえ「どうすればいいんでしょうね」なんて聞き返すのも、はぐらかしてるみたい。
そこで意を決してアドバイスをしてしまうと、なんだか不穏な感じになるんですよね。急にひゅっと空気が冷めていくというか・・。
相手の工夫を聞く
そんな時は「そうだよね。どうしたら解決するのかって思うよね」と相手に共感しつつ「今まではどうしてきたの」と相手の工夫を聞いてみるといいかもしれません。
〈アドバイスする例〉
学生:緊張しないようにするにはどうしたらいいんですか。
先生:そうだね〜…。手のひらに「人・人・人」って3回書いて飲むっていうおまじないみたいなのがあるけど…。あとは、深呼吸するとか?
学生:あぁ、深呼吸はやったことあるんですけど、その時は少し落ち着くような気がするけど、やっぱり緊張してきちゃうんですよね。
先生:まぁ、そうなるかなぁ…。
学生:「人・人・人」って書いて飲むって、効果あるんですかね。
先生:まぁ…、結局は気の持ちようだよねぇ。
学生:そうですよね。気持ちの問題ですよね。
〈工夫を聞く例〉
学生:緊張しないようにするにはどうしたらいいですか。
先生:そうだよね。緊張しないようにしたいって思うよね。ところで、Aさんはさ、今まで緊張した時はどうしてたの?
学生:う〜ん…これが終わったら美味しいもの食べようとか、友達とディズニーランド行って楽しかったこととか、一生懸命、他のことを考えようとしてました。
先生:なるほど。終わったあとのこととか、過去の楽しかったこととか考えて現実を忘れようと頑張っていたんだね。
学生:でも、一生懸命他のことを考えても、結局、思い出して緊張しちゃうんです。
先生:そっか、他のことを考えようとしてるのに、やっぱり思い出しちゃうのね。じゃあ、もう最初から今の現実のことを考えるのはどうかな。「焦っているけど、けっこううまくいく」とか「実際やってみると簡単だった」とか。
学生:あぁ、現実について、うまくいく想像をするんですね。確かに今まで他のことばかり考えて、現実のことは考えないようにしていたかも。今度、やってみようかな。
相談者が今まで悩んで、どうしたらいいか考えてやってきた工夫は大事なリソースです。
相談者のそれまでしてきた工夫を聴いて、そこまで頑張ってきたことをねぎらって、そこに新たな視点を加えて活用することができれば、その人にとってのいい解決方法が見つかるかもしれません。
オンラインでカウンセリングをしています。ご都合がいい時に予約して受けることができます。職場での人間関係や、ご自身の心身のことなど、お悩みがあればお気軽にご相談ください。
*相談状況によっては、医師や社労士など専門家を紹介することがあります。