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47.『人生初の個展開催』

相棒の名は、OLYMPUS PEN EP-7。
外出時だけでなく通勤時にも常に首から下げていた。
儚く美しいその瞬間を、二度と出会えないその一瞬を、決して逃さないように。

約1年半前、趣味として始めたカメラ。始めたきっかけは、特にない。歩いているとき漂ってきた金木犀の香りに秋を感じるくらい自然に、始めてみようかなーとふと思った。それがまさか個展ができるまでに充実したものになるとは、そのときは思ってもいなかった。
個展といっても、病院内の外来の廊下に飾らせてもらうといったものなのだが、僕にとってはまたとないチャンスであった。感性というものは人それぞれであり、僕の目が見る世界は他の人の見るそれとは違う。僕が美しいと思う景色が他の人にとってもそうだとは限らない。だからこそ、個展という場で、僕の目から世界はこう見えているのだ、と伝えたかった。僕の感性をカメラで表現してみたかった。そして写真を観てくれた人たちが感じたことを聞いてみたかった。

僕の撮る写真は白と黒のみで構成されている。
モノクロ写真の美しさに惹かれた僕は、ひたすらに白と黒だけの世界を撮り続けていた。色という情報を削ぎ落とし、取り込む光の量を調節することにより濃淡で立体感を表現する。そうすることで普段見えている景色に物語が生まれるような感覚がある。目に止まることのないただの雑草がこんなにも美しかったのか、と驚かされることもある。美しい景色は、足元にも転がっていた。

個展の準備には、他部署の仲間が協力してくれた。38枚の写真を展示しているのだが、一人で準備するには途方もない作業であったためとても助かった。この人との繋がりが、かけがえのないものだと再認識する。

個展を観てくださった人たちが感想を書けるよう、感想ノートを設置した。僕の感性が他の人にどう伝わったのだろう。とても楽しみだ。

人生でこんな経験ができることはなかなかないと思う。
面白いだのつまらないだの、評価するだけの人間に僕はなりたくなかった。
チャレンジしてみて良かったと思っている。

この記事を読んでいるあなたも、あなただけが持っているその美しい感性を、ぜひ表現してみてはどうだろうか。


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