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不登校親がルックバックを見てきた感想

劇場アニメ「ルックバック」見てきました。
以下内容のネタバレ含みますのでご注意下さい🙇‍♂️

学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。

しかし、小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで初めて対面した京本から「ずっとファンだった」と告げられる。

漫画を描くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を描き始めた藤野。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思いだった。しかしある日、すべてを打ち砕く事件が起きる…。

劇場アニメ「ルックバック」公式サイトより





3年ほど前にジャンプ+で読切が掲載された時に読んでいました。
当時ものすごいショックを受けた京アニの事件を
示唆するような内容だったので衝撃を受けたのを覚えています。

劇場アニメが好きなので、評判になってるのもあり見たい!と鑑賞しました。
自分は3年前と環境も変わり、
長女が小学生になり不登校になるという経験を経て
また見方が変わったので、感想を書きたいと思います。


藤野の家族の心配と不安

3年前は事件の方に意識がいっていましたが、
今回は自分の娘が不登校になったので
藤野と京本、2人の親の心境が気になりました。

親の出番はほぼないのですが、
友達とも遊ばず、絵の練習に没頭して
学業が疎かになっている藤野に
お姉さんが「親は何も言わないけど心配してるよ」
と伝えにくるシーンがあります。

物語を俯瞰で見てると、
夢中になれるものあっていいじゃん!と思えますが、
いや〜〜〜私も絶対コレ親の立場だったら、
絵辞めて、友達とアイス食べて、空手行ってる方が
安心だろうなぁぁ〜〜〜〜
と映像を見ていて思いました。

子供の将来が「心配」もあるけど
どうなるかわからないから「不安」なんですよね。
藤野は漫画家になれてたけどそんなの分からないしね。
(いわゆる普通に生きてたら幸せになれる保証もないんですが)

京本に会って2人で漫画を描き始めたあとは、
家族はどう思っていたのかなぁ。
物語を俯瞰で見ると宝物のような時間だったのがわかるけど、
リアルタイム家族からみると、
若い子が外にも出ないで、、とか
運動神経もいいのにもったいないとか
色々考えちゃうだろうな〜と思いました。


京本の親の葛藤


京本の親は全く出てきませんが、
小学生の地点で部屋から出ていない様子だったので
すごく心配だったろうことを想像します。

部屋が漫画本でいっぱいだったり、
学校の学年新聞の4コマを書いていたことから
親が担任の先生と交渉したんだろうし、
子供に寄り添ったり悩んだりしていた親だったのかなぁと感じました。

なので、
街に遊びに行ったシーンは本当にキラキラしてて、それだけで涙がでそうに・・・。
親の心境を想像すると、
もうほんと胸がいっぱいだろうなぁと思いました。
うちの娘もなかなか友達ができず家にいることが多いので、
外に連れ出してくれた友達がいたら、
感謝してもしたりないだろうなぁ。


でもその後悲劇的な事件が起きて京本は帰らぬ人になってしまう。
全くの想像となりますが、
藤野が自分で思った通り、
あの時連れだされてなければ・・・って
きっとどうしても考えてしまうだろうなぁと。

でも今回はあの時連れ出さなければ、のIFが見れたけど
現実だと決して分からないのですよね。
(映画の中でもあのシーンは藤野の想像だったかもしれない)

いなくなってしまったことは絶対受け入れられないだろうけど、
藤野が外に連れ出してくれた時の、
キラキラした笑顔も何者にも変え難いなぁと。。
京本の親は、藤野になんて声をかけたのでしょうか。


打ち込めることのある幸せ

ラスト辺りで入る、
2人が一緒に創作してた時の回想がもうものっすごいキラキラしていて・・・
うっ・・・涙が・・・・・・・・

映画始まる前は原作知ってたのもあって、
泣かないかな〜と思ってたのですがこの辺りで泣きました・・・。
映像の力って色んな意味ですごい。

思春期に誰かと一緒に創作するって、本当青春ですね。
私も友達と一緒にお絵描きしたりしたの思い出してしみじみしました。
もちろん大人になっても「何かを作り上げる」って青春だなぁ、
生きてるって感じるな〜。

同時に打ち込めることがある子はいいよな〜って
気持ちにもなりました^^;
うちの娘は小2で不登校なのですが、
特にこれに打ち込みたい!というものがあるわけでなく
ちょっと難しいとヤダ〜となるので。
映画の中でも言われてたけど、
中学生が漫画を「完成させる」ことが本当にすごい。
いや中学生じゃなくても完成させられる人って少ないと思う。
藤野ちゃんたち、まじすげえよ・・・と。

こんなに没頭できるものあったら応援したい。
待っててもふって湧いてくるものではないので、
スモールステップで色々チャレンジできるように
手助けするくらいが親にできることなのかな〜。

でも藤野の親の立場になったら、
上述したように絶対心配するだろうから
ないものねだりだし、どうしたって心配してしまうもんだな〜と諦めも感じたりしました。


言葉の受け取り方

あと1個、印象に残ったのが
小学生の時の話で、藤野の隣の席の子が
「京本の絵と並べると藤野の絵って普通だな」(うろ覚え)
と言うセリフ。
実際に言っているシーンと、
藤野の想像の中のシーンで、
2回出てくるのですが、それぞれ言い方が違って。
前者はフラットに感想を述べてる印象だったのですが
後者は悪意をもって馬鹿にしてる感じの言い方だったんですね。

きっと馬鹿にしたつもりでなく、感想を言っただけで
藤野の中で変換されていったんだろうな〜
不登校で被害妄想フィルターがかかってること、
自分の中でもありそうだな〜〜と感じました。
声優さんってすごい。


1時間ほどの映画としては短い時間だったのですが
とっても満足感があって1時間半くらい見た感覚でした。音楽もよかったな〜〜
EDの讃美歌みたいな歌流れながら、
少しずつ窓の外の景色が変わっていくのもよかった・・・・。
Apple Musicにサウンドトラックがあるので、
電車の外の風景を見ながら聴いて帰りました。
子供がもう少し大きくなったら一緒に見れたらいいな。


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