エッセイの素(病床日誌No 3)
その 3
《某月某日》
『人はなぜ暴力を好むのか、それはその過程でいい気分を味わえるからだ。
ビジョンのない非論理的な行為の果てには、虚しさだけが残る。
だから人間は、放っておくと戦争を始める。
人間の本性が邪悪なものだと認めたうえで、それにまさる理性で暴力をコントロールして平和を導こうと考える。
これもある種のゲームなのかもしれない』
これは、とある映画に込められた……であろう(私の推測)……重要なテーマである。
映画のタイトルは失念したのに、テーマだけはしっかり記憶している。
けれども私はあえてこう思う。
『人間の魂の活動こそ、仕組まれた重要なゲームなのだ』と。
そしてその仕組みに本当に気付いた時、自分の人生の皮が一枚、"ペロリン"と、めくれるのである。