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傑作選 日記篇

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雨音や二人静かに酒を飲む 二月尽

@2013 の三月から

雨音や二人静かに酒を飲む 二月尽

2月28日

▼しっぽりと春雨のとばり二月尽

なかなか二月が終わってくれなかった。
いい加減で春になって欲しかった。

そんなことばかりを考えていたのです。
冬は嫌いじゃないし,苦痛でもないけど
少し暖かいほうが、過ごしやすいもんな。

3月1日

▼散る花と咲く花がありいざ分かれん
▼麦青み整列してる春騒ぐ
▼天高しヒバリが呼ぶや畦

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温度差 のことを考え続けている

@2013

温度差 のことを考え続けている

温度差のことを考え続けている。

昔からの友人がいる。

遠く離れていたときは手紙を書いた。そのうちPCメールになって、近ごろは携帯メールになっている。返事は殆ど来たことがない。

どんどんとボクと彼の距離が遠ざかっているような気がする、10歳あまりからの友だちだからというか、あの頃の損得を超えた人間味のわかる友だちだからこそ、返事が来なくてもオシマ

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第11話【花も嵐も】 感動の車窓の娘さん<六十里越街道> @1994

『花も嵐も』から 11話  @2006

第11話【花も嵐も】 感動の車窓の娘さん<六十里越街道>

忘れもしない。1994年の夏に東北ツーリングをしたときの話です。
六十里越えの街道を会津に向かって私は走っていました。山深く寂しい峠越えです。

汽車の線路がそばを走っていました。しばらく行くと、私と並ぶようにディーゼルカーが追いついてきました。バイクの方が速いときもあれば、列車が私を追い抜いて行

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イケダさんへの届かなかった最初で最後の手紙

2021年6月1日

今朝 留守番電話に イケダ ノリアキ さんという方から 録音が残されていて
先日 イケダ イクオ さん宛てに出した手紙の返信の連絡だとわかった

それは 悲しい知らせで 録音された声には要件が手短に入っていた

自分の名前を名乗り 私が出した手紙の相手の名前を告げた
それは同じ名字なので身内だと直感した

昨年の12月20日になくなりましたと言って挨拶をして
連絡先も言うこと

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『鬼』を検索してみた ー 秘伝ブログ

「鬼」の検索結果思い出は自分だけのもの - 裏窓から 立春篇ゆうべ珍しい夢を見たオートバイで旅をしていたころの夢だったどこかを旅していた ただそれだけの夢である今の時代の旅ではなく昔のスタイルの旅だった 今の旅のスタイルが十分すぎる点に寂しさを感じているから考えることがあって脳裏 … “思い出は自分だけのもの - 裏窓から 立春篇”の続きを読む

投稿者 わはく投稿日: 2021年2月3日フォーマ

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胸に手をあてる 立春篇 (裏窓から)

@2016
▼ 鬼さんも泣きたい夜がたまにある

胸に手をあてる 立春篇 (裏窓から)

節分が迫ったころにふっとそんな落書きをして
ほんの言葉の遊びなんだと自分で自分に語りかけて
あるような無いような心当たりを手さぐりしている

世の中の鬼さんのなかには
さぞや寂しがっている鬼も多かろう
と思ったひとときだった。

泣いた赤鬼という童話を
子どものころに読んでもらい
人の(鬼の)優しさや友情、社

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ジンクスが風上へ誘う沈丁花

ジンクスが風上へ誘う沈丁花 @2008

成人式にも出る暇もなく日夜机に向かい臨んだ試験であったが、残念ながら満足な感触は無いまま三月を迎えていたと思う。

駅までの歩き慣れた道路のどこかで、沈丁花の花がぷんといい匂いを放っているところがあった。進級発表の日に匂いを嗅ぐと期待が叶わないというジンクスがあるのだという話を聞いて、些か気に掛けていたものの、住宅街を歩いてこの花に遭遇しないで過ぎることは

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