わはくま
mixi で描いたレビュー
早や夏秋もいつしかに過ぎて時雨の冬近く この部分を引いて、歌舞伎の「雁金」という曲なのだと福永武彦の「忘却の河」で紹介する一節があって、それを読んだときから秋になるたびに、ここにただようもの悲しい風情と秘められた大人の妖しくも美しい惑いを感じるのです 誰が何をどうしようと時間は刻々と過ぎ去りやがてあの忌々しい時雨の冬がやってくるのだろうと思いながらもそこはかとなく冬を待つ私がいるのです ✢