見出し画像

組織が共有する価値観 #194 経営理念

人は一人でできることには限界があります。
だからこそ、目的を共有する人たちと組織をつくります。

企業は、その組織の典型でもあります。
そして、企業において共有すべき目的が経営理念です。

経営理念とは、具体的に言えば、経営者が企業を経営する上での考え方や価値観のことです。
ここが曖昧であったり、共有できていないと、組織が組織として機能せずに崩壊してしまいかねません。

経営理念は、一般的にMVVと表現される建て付けで制定されることが多いかと思います。

MVVとは、マネジメントで著名な経営学者ピーター・F・ドラッカー氏が提唱した概念で、ミッション、ビジョン、バリューを意味します。


ミッション(Mission)
企業が社会的存在意義を示すために掲げる使命

ビジョン(Vision)
ミッションを遂行することことによって実現を目指す姿

バリュー(Values)
ミッションを遂行する上での行動指針であったりの価値観


ただ、私は、この建て付けを参考にさせていただいた上で、順番を、VMVにしています。
まずは、実現させたいビジョン。
次にビジョンを実現するためのミッション。
そして、そのミッションを遂行するための原動力であるバリューです。
翻せば、バリューが強固だからこそ、妥協するのとなくミッションを遂行させることができるのであって、結果的にビジョンを実現できるのだと捉えています。

また、経営理念は社内だけではなく、社外に発信することも重要です。
そもそも企業とは、社会における価値や意義を示せなければ存在し続けることができません。
そのためにも事業を通しては当然ながら、事業活動以外の分野においても社会的な責任(CSR:Corporate Social Responsibility)
が伴います。

そもそも従来、経営理念は、企業がなぜ存在するのか、なんのために事業活動を行うのかを表すものでした。
対して、CSRなどの考えを含めて、社会的な存在意義を指し、企業の根本的な存在理由を重視するパーパス(Purpose)という考え方を取り入れる企業も増えて来ています。

それらの意味でも、経営理念は、社内だけではなく、社外に発信することは、ブランディングともなり、結果的に、ステイクホルダー(利害関係)と呼ばれる顧客、取引先、株主、銀行などや社会や地域からの理解や信用を得ることにも繋がります。

しかしながら、経営理念を定めることが目的ではないことは明白です。
そもそも、組織が組織であるために社内で共有されていなければ意味がありません。
そこで必要となるのがインターナショナルブランディングと言った活動です。
つまり、経営理念を社内で共有し、組織に浸透、定着させるための取り組みです。

フレッシュスタート効果という考えがあります。
心理学や行動経済学の概念で、新しい期間の始まりは積極的な行動や変化を起こしやすくなると言います。
経営理念を共有するための取り組みも、新年や新年度、半期・月初めなどの節目に行うことで、より効果が高まると思います。

経営理念ですが、理解した上で入社することが本来の姿です。
しかし、現実は、就職活動の際に理解できていることは稀だと思います。
それだけに、入社した後に価値観のズレが可能な限りない様に、採用面接の際は、可能な限り経営理念を伝えることが大切になろうかと考えます。

株式会社ベンカン

いいなと思ったら応援しよう!