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企業の社会的な責任 #197 CSR

人は、社会やコミュニティ、または個人の特定ニーズを満たす上で、一人で成し遂げることができることには限界があるために、何らかの組織を形成します。
そして、企業を含めた、それぞれの組織は、それぞれ特有の目的を果たすために、社会の中で様々な活動を繰り広げます。

現代は、環境問題の深刻化、経済格差の拡大、企業の不祥事などを背景に、社会的責任(CS:Social Responsibility)の重要性が高まっています。
そもそも、組織や個人が、自らの利権や効用目的だけで行動することは許されるものではありません。
翻せば、組織や個人の利権や効用が、他の組織や個人に対して損害や危険を与える可能性もあるということです。
つまり、SRとは、組織や個人は、社会において望ましい組織や個人として行動すべきであるという考えです。

マネジメントで著名な、P・F・ドラッカー氏が、その書籍の中で「企業も組織であり社会の機関である以上、社会やコミュニティ、個人のニーズを満足させることが目的となる。」と示しています。
つまり、企業にとってのSRである「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)」も重要な課題です。
CSRは、企業が社会的責任を果たすための活動を経営に組み込んでいくこと企業視点の経営方針です。

CSRの事例:株式会社ベンカン

対して、社会的責任を果たす企業に対する社会視点の経営方針であるESGも重要視されるようになってきました。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を意味します。

CSRにしても、ESGにしても、企業が成長し続ける上では欠かせない、社会における存在意義であるパーパスを左右します。
つまり、社会的な責任を果たし、社会的な存在意義を示すことができる経営があってこそ、持続性のあるサステナブル企業として認めされるのかと思います。

産業革命以降、豊かになり過ぎた人間の環境破壊に始まって、社会、経済などの世界的なバランスが崩れ始めています。
このままでは、極端な話、地球の将来は破綻してしまいます

これらの問題を解決するために2015年9月に開催された国連サミットで採択されたのが、「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」です。
SDGsは、地球ぐるみで、環境破壊や貧困などに終止符を打ち、すべての人が平和と豊かさを享受、持続できる社会を実現させることが目的です。
そのための17の目標から構成され、先進国、発展途上国に関わらず取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことが宣言されています。

外務省国際協力局

正に世界中のすべての人が幸せに暮らせる未来に向けた世界、社会をつくるための目標です。
また、この取り組みで重要なのが、17の目標を単発で考えるのではなく、尚且つ、人種や宗教、貧富の差、国籍、性別などにこだわらず、地球に住む人類すべてが当事者として参画しなければならないということです。

このSDGsですが、企業としても社会的な存在意義を示す上での具体的な方向性を出す道しるべとなってくれました。

CSRとは、一般的に事業活動以外の分野において、企業が持続的な発展を目的として行う自主的取り組みと解されています。

しかし、昨今の企業を取り巻く環境は、グローバル化による企業活動の範囲の拡大、ICT改革などによるグローバルコミュニケーションの発展により個人の発言力が高まったり、ステイクホルダー(利害関係者)からのニーズの多様化、貿易の自由化、規制緩和、温暖化、更には、震災など予期しない問題もあって、事業継続事態が決して容易ではない時代でもあります。

そのため企業としては、可能な限り、事業活動を通じて、社会的責任を果たすことが大切なのではないかと考えております。

例えば、私が現在、携わる配管機材事業は、SGDsであれば、次のような目標に関連して来ます。

目標6 [水・衛生]=衛生的な配管
目標9 [インフラ、産業化、イノベーション]=高耐久性配管
目標11 [持続可能な都市]=都市災害に強い配管、復旧力に優れた配管
目標12 [持続可能な消費と生産]=ゴミになり難い配管、リサイクル率の高い配管

持続的な企業であるサステナブル企業を目指す以上、事業活動による、一定の収益は無視できないところです。
しかし、事業活動に支障を及ぼさない範囲で、会社や社員が社会貢献活動に参画できるように制度を整備しました。

結果、具体的には、社内に国際的な水支援を行うための寄付型の自動販売機を設置したり、再生可能エネルギーの活用のための太陽光発電を導入したりしております。
また、国際交流あるいは支援の一環として、積極的に地域に住居される外国人を採用したり、ベトナムのグループ会社からも社員を受け入れ、多くの官公庁関係者や企業の皆様からご興味を持っていただいております。
その他、ODA団体から協力依頼で、ガーナ共和国やタンザニア等の発展途上国の企業視察団との交流も行っております。

日刊鉄鋼新聞(2023年12月15日)引用

企業が出来ることは限られているかもしれません。
しかし、社会的な責任を果たしながら、その先にある目標あるいは夢を実現すべく、出来ることから取り組んで参ります。
それが結果的に社会貢献にもつながるのではないかと考えております。

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