テレワークのすきま時間に!お部屋でできる自立神経失調症予防法
先日、「テレワークになったことで自律神経失調症を発症する人が増えている」という情報がタイムラインに流れてきました。
コロナの影響で生活がここ数ヶ月で一変し、テレワーク生活になったものの、いまだ心と身体が慣れず困っている方が他にもいるのではないかと思います。そこで、同じく在宅ワーク&自律神経失調症発症歴のある者として日常実践していることを紹介することにしました。
簡単に説明すると「ただゆっくり歩くだけ」
3分〜5分程度の時間と、場所は3mぐらいの長さがある室内なら何処でも出来るメソッドです。
激しい動きではないので運動不足解消とまではいきませんが、筋トレとしての効果は抜群。また、骨盤矯正にも繋がるので、お子さん産んだばかりのお母さんなどにもオススメです。
サマタ瞑想としての要素もあり、とってもマインドフルネスな運動。リフレッシュして、よりよくお仕事進めていただけたら嬉しいです。
ということで、いつもは心の持ち方をお話している和顔美人づかんですが、今回は番外編。実生活で役に立つ「和の動き」をご紹介します。
1、【前段階】朝起きてからやること
これは本やブログでもよく書かれていることなので説明不要かもしれないのですけれど、前段階として書いておきます。朝が忙しい方でも、これだけはやっておくと格段に1日のスタートが変わってくるのでオススメです。
①朝起きたらカーテンを開けて陽の光を全身に浴びる
②白湯をゆっくり飲む(歯磨き後)
③ストレッチをする
私は朝が苦手なので上記3つだけを実践しています。実際ベランダに出て空気ごと陽の光を浴びると体が「朝だ!」と起きてくれるので、さらに良いです。余裕のある方は朝ウォーキングやヨガなどもオススメ。
2、【実践】テレワーク隙間時間にできる「和の動き」
さて、いよいよ本題です。
テレワーク隙間時間にできる「和の動き」
それはつまり「摺り足」です。
弓道・相撲・剣道・能・茶道・日本舞踊など、これら全てに「和の動き」の基本動作として摺り足は用いられています。武道の種類、舞踊の流派によっても微妙に足の運びが違うのですが、今回は私が習っている「上方舞」という舞踊から摺り足の方法をご紹介したいと思います。
-基本姿勢
①背筋を真っ直ぐにして直立します。
顎を軽くひいて、視線を真っ直ぐ先の一点を見つめます
肩甲骨〜背中〜腰を下げて、お尻の穴を締めるようにお尻全体を内側に向けて力を入れます。
②ひざを曲げて腰を落とします。
両手を太もも(足の付け根近く)に添え、①の姿勢を保ったまま地面へ垂直に腰を落とします。
この時、お尻やお腹が出っ張らないよう、下腹と腰で支えます。
肩とお尻が真っ直ぐになるように。女性で言うと、腰からお尻への曲線のラインがほぼ無くなるようにします。
座骨を床にズーン!と刺すようなイメージがいいかもしれません。
肩甲骨から下は下げるのですが、首より上は上から引っ張られてるような感じで真っ直ぐ保ってください。
-歩行(すり足)
①基本姿勢を保ったまま、地面から足を持ち上げないように片足を前に真っ直ぐスライドします。
②足を前に出すのと一緒にゆっくり体重も前に移動します。(体重は前に出した足に乗っかるようにして、もう一方の足の踵が浮くようにします)
③同じようにもう一方の足を前に出して、真っ直ぐな線の上を歩くように一直線に進みます
④呼吸は深くゆっくりと、2歩ずつぐらいの感覚で吸って吐いてを繰り返します
⑤頭が上下しないよう、腰の位置を安定させて一歩ずつ、一歩ずつ進みます
前に進む時のコツは
・なにか大きな球体を抱えるイメージでそれを全身で押す
・下腹、腰回りを意識する。
・膝の内側と足の親指が擦るように歩く
・体の軸(深層筋)を意識する
・バランスボール持ってる方は壁と自分の間に挟んで壁に向かって押してみてください。イメージがつかみやすいと思います。
・全身を使って体全体で前に進んでください
※足だけで前に進むと膝を痛めるので注意です(慣れない時にやってしまい痛めました…)
-呼吸法(腹圧呼吸)
ここで重要なのが呼吸法。「腹圧呼吸」です。深く、ゆっくり呼吸するところから始めて、なれてきたらこの呼吸も取り入れてみてください。
腹圧呼吸は「IAP(Intra Abdominal Pressure)呼吸法」とも呼ばれ、近年『スタンフォード式 疲れない体』でも話題になった呼吸法です。
腹腔内の圧力が高まって体幹と脊柱が安定し、中枢神経が整って体との連携がスムーズにいくことで疲れにくい体になります。
呼吸法を実感しやすいように、座って実践する方法を記載します。
①鼻からゆっくり息を吸います。下腹が膨らむように、横隔膜を下げて深く吸い込みます。この時、手を下腹に添えて指先をお腹と足の付け根に差し込むように充てます。
②下腹で指先を押し返すように、お腹を膨らませたまま、ゆっくりと息を吐き切ります。
着物を着る方は、帯を押し返す感覚で息を吐くと分かりやすいと思います。
3、まとめ
いかがでしたでしょうか?
歩く距離は3m程度を行ったり来たりするだけでも効果が得られます。
お仕事の休憩の時間や、「あ、なんか詰まった感覚がする」と思った時に是非実践してみてください。
一点を見つめながら一歩つずつゆっくりと進むだけですが、全身を使って摺り足すると呼吸も整って集中力もアップします。
「うちは出社しないといけないから職場で摺り足なんてできない…」という方は、肩甲骨をぐっと下げ、ゆっくりと呼吸法だけ実践してみるのも良いと思います。
じつは、私自身は日舞を習い始めてまだ年数が浅いので本当は人に何か教えられる立場ではないのですが…
コロナの影響で沢山の方が在宅ワークに切り替わり、積極的に外にも行けず、自粛ムードで鬱々とされている方に少しでもタメになればと思い、内心めちゃめちゃドキドキしながら書いています。
もしお近くに武道や伝統芸能をされている方がいらっしゃるようなら、その方達のやり方を教えてもらうのも良いと思います。実際見て実践するのがいいのですが、会ってレクチャーしてもらうのは現状難しいと思うので、ビデオチャットツールの活用をオススメします。
途中申し上げたように、武術や舞踊の流派によって摺り足のやり方は微妙に違いがあります。それは、何をするかという目的によって変わる為で、それぞれの武術や伝統芸能に合った摺り足があります。(私の習っている上方舞の中でも流派によって違います)
けれど、基本的なことは同じです。腰を落として、下腹(丹田)で体を支え、歩行する。
余談ですけれども、日本古来の呼吸法って「腹圧呼吸」だったのではないかと思うのです。複式だとお腹が出たり引っ込んだりするので帯が動いて着崩れしやすいし、浮世絵なんかで見る江戸の着付けでは襟元がぐずぐずなのがデフォルトなのですけど、あれを維持しようと思ったら帯でしっかり支えないといけない。
でも当時は日常着ですから、現代の成人式の着付けみたいにギュウギュウに締めていたとは考えられないし…。となると、自分の体の「使い方」で支えていたということになります。腹圧呼吸をすると帯を外に押し出すのでしっかりと着物も体も支えられます。
腹圧呼吸をすると体の内部にゆとりが生まれ、心も整います。
まだゆっくりと時間が流れていた時代には、こうした体の使い方も合間って、四季折々の自然の移り変わりを感じたり、人との触れ合いを愉しんだりと、時の流れに身を任せるように日々を味わい生きていたのではないかと思うのです。
余談が長くなりました。
コロナは怖いですし、仕事や暮らしがこの先どうなるかも不安です。
今日は良くても。明日どうなっているか分からない、そんな不安な毎日が続きます。
でも、私たちは毎日を過ごしていかなくてはいけません。
もちろん感染予防など健康管理が大事だとは思うのですが、心の健康を保つことも同じくらい大事だと思っています。
医療従事者の方のように最前線でコロナと闘うことはできませんが、心安く心身ともに健康に過ごすことも、きっと誰かの役に立つと思うのです。
今回は和顔美人づかん的「在宅ワークに役立つリラックスメソッド」をお伝えしました。
よければ是非実践してみてください。
和顔美人づかんプロジェクト
制作
ありさ丸