「言葉でぶん殴るのは無罪、それっておかしくない?」って時代になってほしいなー。法学部生の呟き。 あとフェミニスト。
ウィルスミスが、平手打ちでぼこぼこに批判されてますね。アカデミーも毅然とした態度です。そういう姿勢は僕は素晴らしいと思う。黒人俳優やアカデミーに発展に寄与した功労者だからといって容赦しないのって日本じゃ難しいよね。
法的にはウィルスミスの負け。残念。もろ暴行罪ですね。そこで、感情に流されない冷静を装ってる人たちはこんなことを言っちゃうわけです。
「ウィルスミスは紳士的でない!殴るなんて最低だ!野蛮だ!法を逸脱するなんてさいてい〜」
法律って穴だらけ!
法律に違反するのはよくないです。だからウィルスミスは然るべき処罰をうけるのは妥当です。
でもねー。ウィルスミスしか法的に処罰できず、国民から猛烈に批判されないといけないって、なんかおかしくない?って思ってほしいの。
法律とかルール(規範)って基本、穴だらけなんだから。
法律って抽象的だから、具体的な事案に適用すると、うまく解決できなかったりする。だから、裁判所は解釈を補充して、「この法律のこの文言はこういう意味です。だからあなた無罪ね」とかやるの。
法律の文言自体に穴がなくても、この法律って時代にあってなくね?ってことも普通にあるわけ。ちなみに今の日本の法律で昔につくられすぎてカタカナで書かれてる法律あります。
手形法2条(こんな読みにくい条文読まされるんだから笑える)
第二条 前条ニ掲グル事項ノ何レカヲ欠ク証券ハ為替手形タル効力ヲ有セズ但シ次ノ数項ニ規定スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
② 満期ノ記載ナキ為替手形ハ之ヲ一覧払ノモノト看做ス
③ 支払人ノ名称ニ附記シタル地ハ特別ノ表示ナキ限リ之ヲ支払地ニシテ且支払人ノ住所地タルモノト看做ス
④ 振出地ノ記載ナキ為替手形ハ振出人ノ名称ニ附記シタル地ニ於テ之ヲ振出シタルモノト看做ス
昔の人のつくった法律ってどうしても時代遅れになるわけ。
裁判所はねー。
こういう、時代遅れの法律をたくさん、裁判官の独断で、法律の明文とは真逆の解釈をしたり(ex:信頼法理)、そもそもこの法律違憲だから無視していいよなんてこともします(違憲審査ってやつ)。
今の法律っておかしくない?って意識必要じゃね?って話
裁判官ですら、一回法律を無視して、今ある法律を疑う姿勢をみせるのだから、立法者たる政治家を選ぶ権利がある我々こくみんは、もっと法律を疑ってもいいとおもうのね。
つまり
今の法律に違反した!!!!ムキーって怒るんじゃなくて、違法は違法。でもね、今の法律の体系って不備があるんじゃないか?ウィルスミスの気持ちを考えてみると、ウィルスミスだけ痛い目みるのってどうなのかな?って考えて欲しいのね。
法律に違反したからとにかく有罪!クズ!みたいな考え方、法律をしっかり守る素晴らしい考えのようにみえるけど、それって戦前のドイツの法治主義ですよ(ヒトラーが大暴れするための前提みたいなものです。)。
ただでさえ容貌をジョークにするのが私は嫌なのですが、公の場で、克服不可能な病気が原因で、女性が脱毛に嘆き苦しんでるときに、坊主を理由にみんなで笑うのって言葉の暴力だよね、って話。
でも、今の法律で、そういうジョークは基本取り締まれない(名誉毀損の要件は充足されない。侮辱罪でもない。)。
もちろん、だからといってジョークひとつで懲役10年とかやりすぎだし、表現の自由の観点から大問題だから、私はジョークを徹底的に取り締まれとは言わない(それはディストピアだよ・・。)。
ただ、言葉の暴力に関してもっと敏感になって、人を傷つけることに「NO!」といえるような法的根拠や論理が必要じゃないかな、って考える必要だと思います。
「法律がNO!っていってるから、ウィルスミスが悪い!終わり!」をやめようってこと。
法律をつくるのは実質的に、あなたひとりひとり国民なのです。
PS フェミニストの意見に対する簡潔な意見
妻の悪口で夫が怒ることに同情的な日本人の意見につき、「女性を守るべき」たる差別意識が日本人にあるのではないか、と言ってましたけども、別に妻とか子供とか親とか友達とかでも怒るでしょ?面白い観点だなーと感心したんだけど、なんでも悪意でしか物事みれないのってどうなのかなって思ったりします。
「妻を守るために殴ったから許してもいいじゃないか」というよりも、「大切な人」が傷つけられたから攻撃に出た場合は違法性は減少する、みたいな日本人の考え方が実質的にあるのじゃないかなとおもいます。
この件につき、欧米の考えより、私は日本の考え方のほうが先進的で人間らしくて好きです。でも、それが行き過ぎる時があるから、それはダメですけどねって話です。