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そろそろ語ろうか(其の参)ー前編

2002年11月26日、都内ホテルの控え室。
合併発表記者会見まであと十数分。

一発で決めなければならない。

当時のスクウェアに対する世間の印象は「映画の失敗で破綻に瀕した会社」。
誰しも「救済合併」と書きたがる。何を話そうがこの見出しになるに決まっている。

第一声の一文だ。
TVも入っている事を逆手にとれ。意味のある第一声ならペーパーメディアも引用せざるを得ない。
記者全員が容易に記憶でき、見出し一行で収まる文を作らねばならない。

呻吟すること数分。
・・・よし、これで行こう。
決まったところで会見室に向かった。

満席の会場で登壇し、あえて胸を張って発した。

「この合併は、攻めの合併です!」

カシャシャシャーッ
会場がフラッシュで白飛びした。

誰に向けてのメッセージか

今回はドラマ仕立てで始めてみましたw
それはともかく、企業が何かを発信する際には、対象が誰であるかをクリアにしておく必要がある。

この場合は、合併新会社スクウェア・エニックスの社員に正しい認識を届ける事が目的だった。

仮に救済との単語が刷り込まれると、一つの会社になるにも関わらず、精神的には、どちらの出身かで色がつく。優劣が問題なのではなく、分断される事自体が傷になるという意味。
この十字架は新会社が一生背負う事になる。
一気に世界のトップランクを狙ってやると思っていても、社員の心が一つにならない。

勿論、事実とは異なるが、会社の事情など誰も調べやしない。印象、雰囲気でしか反応しない。
ちなみに、以下が合併直前期の主要財務指標(ただし、これは発表から半年後にしか明らかにならないデータ)。

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本件はインサイダー情報規制の対象だったので、対外発表までは完全に極秘。つまり、社員全員が初めて接するのは、私の言葉ではなくメディアの記載になる。
メディアが間違った発信をしても、社員はそのまま受け入れざるを得ない。
ちなみに会社発の堅苦しいプレスリリースは、マスメディアの大声に軽く掻き消されるので効果薄。さらにネット上で尾ひれがつき、拡散していく。

結果的には「攻め」を刷り込む事に成功したため、「攻めとはどういう意味なのか」と会話を繋げる事が出来た。

勿論、分断したい輩は内外におり、根も葉もない事を言いふらすのだが、はじめの一歩が正しく踏み出せたことで、合併症は発症しなかった。

「其の参」は、実録・広報IR戦略を語ります。

超絶難しかった合併比率の変更

合併の話がまとまり、対外発表も行い、両社の臨時株主総会を開催するための招集通知を送付するところまで漕ぎつけた。

エニックス、スクウェア共、筆頭株主は創業者。
双方、一代でビリオネアになったレジェンド。一筋縄でいくわけはない(いや、敬意の表現ですよ)。

お二人各々に合併比率(エニックス:スクウェア=1:0.9)の内諾をいただいた上で、エニックスの福嶋会長(当時)とスクウェアのファウンダー宮本さんとで最終決定の会食に臨んでいただいた。
戻ってきた福嶋会長は「和田君、決まったよ。1:0.81」とスッキリ。
ん? 0.81?
・・・あーーっ、0.9を2回掛けましたね!?
「だって宮本さんは良いって言ってたよ」

お二人は対照的なタイプで、私見で印象を言うなら、局面の達人・福嶋会長と大局の才人・宮本さん。
福嶋会長はユニークな企画を連発するだけではなく、局面局面の判断、実行が極めて的確、迅速。また、ギリギリの際(キワ)の駆け引きを楽しむような頓智の効いた一面も。一方の宮本さんはラディカルに考えを深め、斬新なアイデアを構想、実行するタイプ。

合併直前の経営成績こそ先述の通りだが、交渉時点で明らかになっていた前年度の実績はスクウェアが映画資産の償却で165億の最終損失(営業利益は54億の黒字)に対して、エニックスは営業利益74憶。
福嶋会長が最終で駆け引きするのも無理ありません。

嫌な予感はありつつも、合併承認決議の臨時株主総会のための招集通知を、この比率を記載して発送。

ところが、やはり宮本さんはスクウェアが回復していた事にお気づきになり(その時点では、勿論数字は確定しておらず隠していたわけではないが、流れを嗅ぎ取っていらしたという意味)、「和田君、半年延ばさない? 条件良くなると思う」と。
くぅー、凄く正しいけど、発送前に言ってよぅ。

不味い、非常に不味い。

比率が大幅に変更になり、ましてや逆転交渉が始まろうものなら、この案件は流れる。
また、動揺しつつも現実を飲み込もうとしていた矢先に案件が潰れれば、社内は精神的に大混乱になる。億万が一、次なる比率の妥協点に着地できたとしても、時間が経過するほど社員の混乱は悪化して取り返しがつかない。
さらに、合併すれば世界が狙えるのに、これが流れれば、他の案件についても企業からの信頼を失い(決定力不足との烙印)、飛躍の足場を失う事だろう。
セガ、バンダイの悪夢がよぎった。

(中略)
比率変更につき、お二人各々に承諾をいただいた。
お二人とも、有難い事に、目先の比率もさることながら、新会社の将来の発展を信じ、期待してくれた。
妥結点は、1:0.85。

福嶋会長に譲歩いただいたが、これはエニックスにとっての不利益変更。会長一族が6割以上保有するとはいえ、少数株主はこれまでエニックスを支えてくれた方達。何も仰らなかったが、大きな決断だったと改めて感謝。

さて、事後的な合併比率の変更など前例はない。
どちらに動いてもどちらかの不利益変更になる。
そもそも別会場で同時に開催される株主総会で比率変更の動議を通すのは論理的に不可能(比率変更につきもう一社も奇跡的に同じ数値を提議し、加えてそれが先方においても特別決議が成立する旨、当方の参加株主が確信するという奇妙な前提がなければ動議自体が成立しない)。

エニックス側の法律事務所の方は、不利益変更を、しかもグレーな手続きで進める事を追認する立場にある。
スクウェアとの会議は荒れた。
会議終了後、リーダーの方が「少し言い過ぎましたが、あまりにも無理があるのでご理解ください」と仰ってくれたのに対して、「お立場もおありでしょう。大丈夫です、我々はロールプレイングの会社ですから」と返答。
(さすがに、笑えないよねw)

とにかく、エニックスの少数株主に比率変更につき納得いただかなくてはならない。
valuation とは算定プロセスの全ての段階に仮定が入るのでもとより真理ではなく、「合わせにいく」もの(ここ幻想を持っている人が多いので注意)。合わせた結果の合併比率を変更するのだから合理的根拠は作れない。
また、手続き的には制度のスキマに落ちた論点になるのでシロはない。
であれば、「事後的に訴えられること」を阻止する手当をするのが精一杯と結論できる。

従って、法的には意味がないが、間接的に事情を周知し、納得いただくしかない。
現在のようなSNS、動画配信などない時代。マスメディアを活用する事に決まった。

お二人にインタビューに応じていただき、以下を肉声で述べていただく。
・比率変更は、両者が揉めているためではなく、案件不成立を意味しない。
・つまり、両者、筆頭株主は合併による新会社発足には賛成している。
・比率は、1:0.85で、双方納得している。

福嶋会長は表明を快諾してくれたものの、宮本さんはメディアに出る事を極端に嫌い、連絡先は教えたくない、面談もしたくない、との立場。
お気持ちはわかるが万事休す。
ところが、ある日、宮本さんご自身が、コンビニで買った使い捨て携帯?を持参し、「この番号を記者に伝えて。取材に応じるよ」
成程、これは思いつかなかった。鮮やかな切れ味。

招集通知を再度発送すると、制度上(各プロセスの間の日数に細かい決まりがある)、臨時株主総会をリスケする事になるが、先述の理由で避けたい。
さらには当年度決算を織り込んだ数値が仕切り直しのスタートになるのも上手くない。
結果、両者のインタビュー掲載の後、招集通知の字句訂正を送付する事で総会決議を強行突破した(この部分は記憶が曖昧で、郵送でなかったかもしれません)。

福嶋会長は何も仰らなかったが、法律事務所の説得に随分動いてくれたと思います。また本多さん(エニックス社長)も相当ご苦労なさったはず。そうでなければ事務所は、職分上、メンツにかけて徹底抗戦を選択する。
また、事務所の方達も、受けた以上、万一の事態に備えて大変なご準備をなさったと推察します。

2003年2月両社臨時株主総会終了、同年4月スクウェア・エニックス発足。

皆さんのおかげで成立した新会社。
成功させて潜在的クレームを封じ込める以外に報いる術はなかった。

映画資産の証券化

広報IRの変わった使い方を語ったついでに、さらなる変化球をご紹介。

2000年春、私が着任した際のスクウェアは問題だらけだったが、その中でも特に不明点が多かったのが映画案件。
実体がさっぱりわからない。
制作状況、プロモーション効果等々・・・についてではなく、契約書がない!

社内で聞いても「和田さんは知らないと思いますが、ハリウッドはコネの世界です。一々契約書を結ぶのではなく、後でまとめるんですよ」。

前年まで野村証券におり、いくつかの証券化の案件を通してエンタメ系資料にも接したことがある。デビッド・ボウイ楽曲の販売、米国映画ファンド。
ハリウッドやネズミの王国のボディガードが、冷徹な弁護士軍団である事はバンカーの間では常識だった。
話にならない。。
そもそも、その時期には、法務部長、知財部長は退職(or 退職意思表示)で機能せず、さらに、部署に関わらず英文が読める事務方もいなかった。

どうすんのよ・・・

ん? そうか、奇手がある!

投資家説明資料には、投資対象の状況をつぶさに開示しなければならない。
通常のファイナンスの場合は継続企業が対象になるが、アセット(≒案件)ベースのファイナンスは、アセットの収支見込だけではなく、アセットを形作る契約につき詳述する義務が生じる。

当時、映画がこけそうだという噂は既に出始めており、何人かの記者が虎視眈々と失敗を狙っていた。
異常な雰囲気に、記者の古株に聞いたことがある。「人の不幸がそんなに嬉しいの?」
「いや、株屋さんと同じですよ。上げておいて落とす。この鞘で儲ける、つまり話題にするんです。スクウェアさんは派手だったので随分持ち上げられました。これから読者が期待するのは、蹉跌なんですよ」
勉強になる! 他人事として聞きたかった。。

それなら、ネガティブな解釈も成り立つ話題なら食いつくはずだ。
某新聞社に「リーク」と称して(マスメディア全盛かつ証券市場が窮屈ではなかった時代の常道)、映画資産の証券化を検討している旨、一面の記事にしてもらった(2000年8月)。
届け!
世間の観方は二分。スクウェアの財務体質改善の兆しと観るポジティブ派と、映画失敗の見通しを立てている証左と観るネガティブ派。二派の解釈を産んだのはラッキー、まともな議論になる。

思惑通り話題になり、記事を読んだ複数の証券会社から証券化案件の提案が来た。
事情を話し、契約関係の確認のため自ら内外のヒアリングを実施してくれる会社を選んだ。
担当してくれた証券会社の方々は本当に尽力してくれ、みるみるスキームの全貌が明らかになっていった。

以上は、広報IR戦略の変化球のケースとして引用しているので、映画資産の証券化が専ら契約整理の方便だったかのように読めるが、勿論それだけではない。
オフ・バランスできればスクウェアの財務状況は実際に改善するし、元バンカーとして、新規案件の成立も願っていた。

当時、コナミのゲーム証券化が話題になっていたが、元本を親保証していたので、これでは意味がない。
ハリウッドの映画ファンドは有名だが投資家の節税動機が大きい。しかしながら、償却ルールが適用されるスキームにその時点から再組成する事は非現実的。
何かを保証しなければならないのだが、最後に出てきたのが完成保証(収益や元本の保証ではない)。勿論、そんな事が出来るわけなく保険でカバーするのだが、これがベラボーに高かった(と記憶している、やや曖昧)。
商品設計が定まらなければ、投資家が定まらない。
残念ながら、証券化は断念した。
やはり、大技は、企画当初から織り込まないと無理なんですよね。

話はまだ続く。
証券化はどうやら進んでいないようだ、だとすればスクウェアの財務危機回避は決め手を失い、早晩破綻する。和田から証券化断念の言質を引き出せ。
と、まぁ、見え見えの張り込みが年末くらいから始まります。
打開策は同時並行で検討していたので、一貫して黙殺。
最終的には、2001年10月、映画資産一括償却+ソニーさんへの第三者割当増資の合わせ技で突破。
お疲れ様、ブラックジャーナリスト「的」な皆さんw

スクウェア・エニックスの社名、ロゴ、企業理念のお話し

前編最後に、社名とロゴ、企業理念について。
あえて語るのは、何であれ思想の一貫性が重要な事を伝えたいため。

ゲーム産業の構造変化を生き抜き、世界トップランクに名乗りを上げるための合併だったが、その後もM&Aを戦略の一つにしようと考えていた。
社名等の検討の際に考慮した点は三つ
・新会社はグローバル仕様、つまり和英双方で定着する必要あり
・ゲーム業界のブランド認知は、一般的にあまりにもタイトルに寄っていたため(除く任天堂)、会社のブランドイメージ獲得も狙う
・ブランド定着のため、その後企業を買収するにしても名前は変えたくなかった。

エニックスもスクウェアも一般的には知られていないが、業界コアには認知されていた。
であれば全く新規の名前を付ける事で、あえてゼロから社名定着に労力を割くのもバカげている。また、それまでのファンから反発を買うネタを提供する意味もなかった。
芸がないかもしれないが社名を連結する事にした。

エニックス・スクウェアは、和英双方発音しにくい。スクウェア・エニックスは、英語は微妙なものの、日本語はOK。また、英語圏ではスクウェアの方が知名度が高かったので前に出すと有利。
これで決定。なんの政治もなく、さっぱりと。
(どことは言わないが、どことは言わないが!)銀行等、社内メンツを優先する企業は、合併会社の場合、和文と英文とで連結名を逆さにするケースも散見される。私見では、統合できていませんと内外に自白しているようなものなので、悪手(そもそも検索できんやろ)。

和文は「スクウェア・エニックス」で中ポチを入れ、少しでも覚えやすいように配慮した(たいして変わらないかw)。
英文は" Square Enix"とハイフンなし。記号の/ _ .等、検索で意図しない動作を誘発しそうなものは排除。ハイフンが相当するかは不明だったが触らぬ神にたたりなし。半角スペースとした(「スクウェア」よりも"square"のヒット数ははるかに多いため、square のみで引っ張るのは無理、従って連結必須)。 

さて、会社のブランドを定着させるためには社名よりもロゴが重要。
当初は社内公募にしてみたが、アーティストが多い故か、格好いいのだけれど、どれもエッジが立ち、癖が強い。その後の拡張、展開を吸収する臭みのなさと、企業色を打ち出す二兎を追うため、バランスが難しい。
結局、淡々と文字ロゴとし、マークは作らないこととした。

いくつかの候補から現在のフォントに決定。
白黒と黒白の2パターン(これはマーケ担当の提案)を正式とし、他は使用禁止。
ここで一呼吸(・・・二の型!なんて言わないもんね、残念でした)。

でも、何か物足りない。
統一感を維持しつつも自由度を持たせる、もう一捻りはないものか。
ふと、スクウェアのロゴが思い出された。赤を使っている。
そこで、最後の最後に、Eの真ん中の点を赤にしてもらった。
これは大成功。
アルファベットに、社名ロゴで使っているフォントで赤をちょんちょんと入れると、あら不思議、どんな単語も何となくスクエニっぽくなる。この伝染力は強く、私がこの仕掛けを説明した事はほとんどないのに、社員は皆そのように使った。
ちなみに、業者からは nipple みたいですね、と言われた(との事、直接聞いたわけではありません)。どうやったら、そんなに捻くれて見れるんかね。
(ちなみに、あのロゴはスクウェア時代のコピーでしょ、と思った人もいたでしょうが、実際には意図が全く違います)

なお、ブランド管理はかなり厳しく行ったものの、漫画コミックスだけは例外。
背表紙に社名が収まらない。
どうしますか?と出版担当に問うたところ、何とかします、と出てきたのが「SE」。上手く収めてくれた。
これがスクウェア・エニックスの唯一の公認例外だった(他事業部門では使っていないという意味)。

さて、ブランドいっても、新会社の企業理念はまだ書いていなかった。
ロゴと並んで風雪に耐えるものを作る必要がある。
2007年(?記憶が曖昧、アニュアルレポートには2008年3月期に初出)、頑張って書いてみました。
「最高の『物語』を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する」
物語がカッコ書きなのはRPGをイメージさせつつも、広範・多様な経験価値を提供することを示すため。コンテンツ、ましてやゲームという単語はあえて使わなかった(英文はよりシンプルでストレート)。
一生懸命書いたんだけどね、当時、新会社発足前から在籍する社員は、率直に言って、ほとんどがスルー。
エニックスでもスクウェアでも企業理念は特に設けられていなかったし、「いいものを作るのが俺達の仕事。言葉なんてどうでもいい」と、頑固なラーメン屋のお兄さんみたいな(黒のTシャツ着て、腕組んでる感じね)風当たりだったw。
いや、勿論、圧倒的に正しいよ。でもね、タイトル依存しているだけなら経営は要らない。会社力は弱いままになるのよ。
ちなみに、先入観のない海外の社員、新入社員(新卒、中途含む)、そして何よりも業界外の新規取引先には大きな効果を発揮した。

ブランド構築の基礎作りが出来た以上、その後の買収によっていちいち名前を変えたくない。
金融業界、その他重厚長大産業のように足していったら、最後は落語の寿限無か、頭文字の記号の羅列になってしまう(失礼w)。
この当初の方針に則り、スクエニになって最初の買収案件であるタイトーは、タイトーをそのままスクエニの傘下とした。戦略上の観点であって他意はないが、タイトー社員に精神的わだかまりが残る可能性がある。
私自身がタイトー社長を兼務することとした。タイトーの変革が主たる動機だが、心情も斟酌に入れた結果だ。

後編に続く

最後に少しだけ。

ネガティブな風評を抑え込む or かわす際、感情を入れずに実利的に対応するのがお勧め。

どれだけキチンとしていても、攻撃してくる輩はいる。
しかしですな、茶飲み話や落書きなんてどうでもいいんですよ。
本気で阻止すべきは、自ら行動し、他人をも巻き込み、事業の妨げになる勢力になる者。
それだけの行動を起こすためには、すさまじいエネルギーが要る。
怨念、憎悪、嫉妬・・
従って、これを封じるのが肝心。
仕事は綺麗に、そしていかなる敵に対しても止めは刺さない事。

また、スケープゴート、咬ませ犬にならない事も重要。
攻撃が、自分に対するものだけではなく類似対象を巻き込んで増幅して襲い掛かる。
対処は、印象の引火を回避する事。つまり、言葉の選び方が極めて大切。

不快な雑音が山のようにあっても感情的にならず、スルーが吉。
また、きっちり自分の描いたようになっていなくても、いちいち気にしない。大局に影響ないのなら、自分の美学でショウもない事に拘泥すべきでない。
先の例で言えば、いまだに「救済合併」という人が稀にいます。
彼等を質すのは無価値。
合併発表の一瞬は絶対に譲れなかった、断固として戦う。しかし、あとは誤差、どうでもいいんです。

正しく事業を推進するのが経営者の仕事だからね。

さて、後編は、IRに軸足を移して、実体験をお話しします。


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