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日本料理の食卓作法Ⅰ-C「会合前のマナー・プロトコール」
2006年2月 7日 (火)
<共通のマナー・プロトコールについて>
①「マナー」とは何か→「ルール」では無く「思いやり」
豪華絢爛なフランス料理の晩餐会、テーブルの上にはすばらしい輝きの銀製品がずらりと並びます―。
でも、なぜシルバーなのでしょう?
それは当時、銀製品は毒に反応して色を変える、と信じられていたからです。
ワインを飲むゴブレットから、茶器、ナイフ、フォークすべてが、毒殺防止のために銀製品で作られ、正式の晩餐で使われました。
優雅な輝きを放つシルバーも、貴金属だからと言うことではなく、こんな理由で使われるようになったのですね。
食事を共にすると言うことは、相手との親睦を深めるということです。
昨日までの敵と、交渉をしたり和睦を結ぶためにする大切な会食で、相手に不快な思いをさせては何にもなりません。
テーブルマナーは、そんな切実な「思いやり」(←そんな可愛いものか?)から始まったのです。
②会食に出かける時に考えること
【到着時間】
会場に何時頃到着したら良いか、悩んだことはありませんか?
あくまでも目安ですが、男性なら15分前、女性なら20分前には到着するように出かけると良いでしょう。
到着後にトイレに行ったり、お化粧を直したり、身だしなみをチェックしたりするのに、それくらいの時間は必要です。
なお、大人数の会合で受付などがある場合は、それに5~10分プラスして考えると良いでしょう。
あまり早くから行って手持ち無沙汰になるのもイヤだな…と思う人もいるでしょうし、確かに1時間も前から待ち構えている必要は無いのですが、それでも遅刻は感心できません。
「どうせ時間通りには始まらないから、ちょうど開宴の時間でいいか」
と、わざとゆっくりめに来る人も居ますが、それはちょっと困りもの、ですね―。
大人数の会合は、なかなか全員が揃うまでが大変なのは事実ですが、出席するひとりひとりの気持ちが大切だと思うのです。
「どうせ始まらないから」とか「大人数だから自分くらい」とか、つい考えがちですが、それがもしも5人のうち2人いたら、30人では12人、50人では20人、100人では40人にもなってしまいます。
それでは、定刻に始まらないのもうなずけますね。
「どうせ…」と思って遅刻する人は、きっと他の人が遅れたせいで待たされた、イヤな経験があるのでしょう。
でも、それでしたらなおさら、「自分がされてイヤなことは、他人にしない」と言うことを思い出してみてください。
イヤなことの連鎖は、どこかで切るべきです。
定刻に始められるよう、間に合うように集合している人たちのため、そして自分自身のためにも、ぜひ時間は守っていただきたいと思います。
レストランに食事の予約をした場合はどうでしょう?
こちらも、あまり早くから待ち構えている必要はありませんが、出来れば予約時間の10分前にはお店に到着しているように心がけましょう。
お客様をご招待しているホスト側なら、30分前には到着して会場や各手配の確認をしておいたほうが安心ですね。
そして何かの事情で遅れる場合は、なるべく早く連絡を入れるのがマナーです。
席を押さえるのはもちろんお客様の権利ですが、外国のレストランなどでは、連絡無しに予約時間から遅れた場合、たった数分でも自動的にキャンセルとなり、その席は他のお客様のものとなってしまいます。
お客様が自分で権利の放棄をした、と見なされるからですね。
和洋中のどんなお店でも、料理の食べごろを考え、お客様が来店される時間に合わせて、食材の準備、下ごしらえをしています。
せっかくの料理を最高の状態で食べるためにも、自分からそのチャンスを捨てることはありませんよね。
権利には、かならず責任と義務がつきものです。
それをきちんとわきまえて行動できること、それが大人のマナーの一つだと思います。
意外に出来そうで出来ない「時間を守る」ということ、ぜひ見直してみることをおすすめします。